ここが違う!認知症と物忘れ

ここが違う!認知症と物忘れ

多くの人は60歳頃になると、記憶力に加えて判断力・適応力などに衰えがみられるようになり、脳の老化が始まります。高齢者の物忘れには「加齢による物忘れ」と認知症などの「病気による物忘れ」の2種類があることをご存知でしょうか。
この違いをきちんと理解しておくことで、認知症にいち早く気付くことができ、本人へのアプローチ方法も変わってきます。家族など身近な方に適切な対応を行うためにも、ぜひ知っておきましょう。

出来事自体を忘れてしまう認知症

例えば、人の名前が思い出せない時、加齢による物忘れの場合「自分が忘れてしまっている」という自覚があります。そのため、他人に教えてもらったり、自分で調べるなどして思い出すことができます。
しかし、認知症の方の多くは忘れている自覚がなく、出来事の一部ではなく「その出来事自体」が消去されてしまい、記憶の連続性が断たれてしまいます。そのため、常に不安が付きまとい、記憶を埋めようと何度も同じことを確認しがちになります。
物忘れが体験の一部(中身)なのか、体験の全部(出来事)なのか、判別することで、認知症のシグナルに気づくことができます。

■加齢による物忘れと認知症による物忘れの違い

よくある
相談事
加齢による
物忘れ
認知症による
物忘れ
人や物の名前が出てこない 役者や歌手の名前が出てこないが、しばらくして思い出す。もしくは誰かに聞いて「そうだ」と気づく。ヒントで思い出すことができる。自分で調べて解決しようと対処している。 身近な人の名前が出てこない。
名前を聞いてもわからなくなる。
体験したことを忘れてしまう 行ったこと自体は覚えているが、中身があやふや(例:3日前の晩ご飯を食べたことは覚えているが、何を食べたかは思い出せない。もしくは思い出そうと試みている) 行った体験をすっかり忘れてしまうため、不安に感じ何度も確認をする。特に最近のことを思い出せない(例:ご飯の内容だけでなく、ご飯を食べたこと自体を忘れてしまう)
用事を忘れてしまう 2階に上がると何をすべきだったかは思い出せないが、用事を忘れているという自覚がある。忘れる頻度は多くない。 用事を忘れていること自体に気付かず、別のことをしてしまう。
物忘れは進行するか 進行しない。もしくはゆっくり。 進行する。
生活への影響は 思い出せないことに不安を感じるが、生活に支障はない 生活全般に支障をきたす
周囲の人の感じ方 年相応と感じる 以前と比べたら何度も同じことを質問したり、伝えたりしていると違和感を覚える

認知症は他人の方が気づきやすい

家族は認めたくない気持ちのためか、身内の変化に気づいても「年のせい」と終わらせてしまいがちです。むしろ、認知症の初期症状は、近隣の方をはじめとする身近な他人の方が気づきやすいといえます。
例えば、「●●さんは最近何度も同じことを聞いてくる」など、接するなかで何らかの違和感を感じた時には、互いに声を掛け合うことが大切です。日頃から第三者の協力を得られることが早期発見、早めの対処に通じます。

監修:森ノ宮医療大学 教授
横井 賀津志 教授

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