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ネブライザーとは?使い方や効果、選び方までわかりやすく解説

ネブライザーとは?使い方や効果、選び方までわかりやすく解説

ネブライザーとは、薬液を微細な霧状の粒子(エアロゾル)にし、それを呼吸とともに吸入するための医療機器です。喘息や気管支炎など、呼吸器系の症状を和らげるために使用されることが多く、医療機関だけでなく、家庭でも使えるモデルが増えています。

この記事では、ネブライザーがもたらす効果や本体の種類、目的に応じた機種の選び方に加え、正しい使い方や使用時の注意点についてもわかりやすくご紹介します。初めてネブライザーの購入を検討している方や、ご家族のケアで使用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ネブライザーとは

はじめに、ネブライザーの概要や、期待されるおもな効果を見ていきましょう。

ネブライザーの役割

ネブライザーとは、薬液を微細な霧状の粒子(エアロゾル)にし、それを呼気とともに吸入する「吸入療法」で用いられる専用の医療機器です。薬を飲み込むのが難しい乳幼児や高齢者にとって、服薬をサポートする重要な役割を果たしています。

以下のような治療目標のもと、気管支喘息や気管支炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎などの治療に活用されます。

  • ・気管支を広げる
  • ・気管支の炎症を鎮める
  • ・痰をやわらかくして体外への排出を促す
  • ・炎症状態にある副鼻腔の症状を緩和する

ネブライザーの効果

ネブライザーを用いると、薬液を鼻腔や副鼻腔、咽頭、気管支、肺などに局所投与することが可能です。その結果、以下のような効果が期待できます。

  • ・経口薬より少ない量で済む
  • ・副作用が軽減される
  • ・速効性がある

ネブライザーは、圧縮空気や超音波を用いて、霧状にした薬液を安定して生成し続けます。特別な呼吸法を意識する必要がなく、普段どおりの呼吸で吸入できる点が大きなメリットです。

同じく薬液を霧状にして吸入する医療機器には、電源不要で携帯に便利なpMDI(加圧噴霧式定量吸入器)もあります。しかし、pMDIは扱いやすい反面、使用時に薬液の噴射と吸い込むタイミングを合わせる必要があり、扱いに慣れが求められます。

その点、ネブライザーは、呼吸のタイミングに関係なく使用できるため、pMDIではうまく吸入できない乳幼児や高齢者にとって、服薬をスムーズに行うための有用な選択肢となります。

ネブライザーの種類

ネブライザーの種類

ネブライザーは、霧状の粒子(エアロゾル)を発生させる方式により、3種類に分けられます。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。

ジェット式

ジェット式は、最も広く普及している方式のネブライザーです。霧吹きと同じような原理で、薬液を入れた容器に圧縮空気を流すことで、少しずつ薬液を吸い上げながら霧化する仕組みになっています。

ジェット式の最大のメリットは、幅広い薬液に対応している点です。ほとんどの薬液を使用でき、粘性の高い薬液や懸濁液(液体のなかに微細粒子が分散している薬液)の噴霧にも対応しています。また、日常のメンテナンスが簡単な点もメリットです。

一方で、空気を圧縮する際に動作音が大きくなるため、病院の大部屋や集合住宅など、周囲への配慮が求められる環境では使用に適さない場合があります。また、生成されるエアロゾル粒子の大きさにばらつきが生じやすい点も、デメリットのひとつです。

【ジェット式のメリット】

  • ・幅広い薬液に対応可能
  • ・薬剤の混合が可能
  • ・手入れが容易
  • ・安価

【ジェット式のデメリット】

  • ・動作音が大きい傾向
  • ・生成されるエアロゾル粒子にばらつきが見られる
  • ・大型のため携帯に不向き

メッシュ式

メッシュ式は、薬液を高周波で振動させ、メッシュの微細な穴から押し出して霧化する方式です。

この方式の特徴は、静音性と携帯性に優れている点です。動作音が非常に静かで時間や場所を選ばずに使用できるほか、小型で持ち運びにも適しています。また、横になった状態でも吸入できるのもメリットです。

一方、デメリットとしては、一部の薬液に対応していない点が挙げられます。特に、粘性の高い薬液や懸濁液には不向きです。また、長期間の使用でメッシュ部分が薬液により目詰まりを起こす可能性があるため、定期的なメッシュの交換が必要になる点にも注意が必要です。

【メッシュ式のメリット】

  • ・小型で携行性に優れる
  • ・横になった状態でも利用可能
  • ・動作音が小さい
  • ・噴霧効率が良い

【メッシュ式のデメリット】

  • ・一部の薬液には非対応
  • ・メッシュ部分の定期交換が必要

超音波式

超音波式は、超音波発生器を利用して、超音波の振動によって薬液を均一に霧化する方式です。大型の機種が多く、一度に多量の薬液を噴霧できるため、長時間の連続吸入が可能です。この特性から、主に病院などの医療現場で使用されています。

ただし、メッシュ式と同様に、すべての薬液に対応しているわけではありません。粘性の高い薬液では霧化しにくく、懸濁液の場合は薬効成分が振動で沈殿しやすくなるため、吸入されるのは上澄みだけになってしまう可能性があります。

そのほか、噴霧に比較的多量の薬液が必要な点や、装置自体が大きく携帯に不向きである点もデメリットとして挙げられます。

【超音波式のメリット】

  • ・大量噴霧ができ、長時間の吸入に対応

【超音波式のデメリット】

  • ・一部の薬液には非対応
  • ・使用に際し多量の薬液が必要
  • ・大型のため携帯に不向き

ネブライザーの吸入口の種類

ここでは、ネブライザーに接続して用いる、おもな吸入口について紹介します。

マウスピース

マウスピースを用いる場合は、太いストローを扱うような形で口にくわえ、霧が出始めたら口呼吸を意識しながら吸入します。

吸入の際は、口を軽く閉じるのがポイントです。口が開いていると、周りの空気まで吸い込んでしまい、薬液の効果が下がる可能性があります。逆に口を固く閉じてしまうと、口もとに余計な力が入り、ゆっくり深呼吸できません。

軽く口を閉じることで、マウスピースと唇の間に適度な隙間ができ、薬液の粒子を効率よく目的の部位に送れます。

マウスピースでの吸入中に口のなかに唾液がたまってきたら、その都度吐き出し、唾液が本体側に逆流しないようにしましょう。

マスク

マスクを用いる場合は、口と鼻を覆うようにマスクを顔に装着し、普段どおりの呼吸をしながら吸入します。

マスクを使用すると、口と鼻を広範囲に覆えるため、より自然な呼吸での吸入が可能になります。ただし、鼻までカバーする構造上、薬液が鼻腔や喉に付着しやすく、結果として気道や肺に届く薬液の量が減り、吸入効率が下がる可能性がある点には注意が必要です。

そのため、基本的にはマウスピースの使用が推奨されます。ただし、マウスピースの使用が難しい場合や、唾液を自力で吐き出すのが困難な乳幼児などには、マスクの使用を検討するとよいでしょう。

ネブライザーで使用できる薬液の種類

ネブライザーで使用できる薬液の種類

ネブライザーを使用する際には、患者の症状や体調に応じて、医師が適切な薬液を選択します。

以下に、ネブライザー治療で一般的に使用される代表的な薬液を紹介します。ただし、ネブライザーの種類によっては使用できない薬液もあるため、実際に使用する薬液や機器については、必ず医師の指示に従ってください。

薬剤名 薬効 使用されるおもな疾患
インタール 喘息を治療する薬 気管⽀喘息
メプチン 気管支を広げて呼吸を楽にする薬 気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫など
ベネトリン 気管支を広げて呼吸を楽にする薬 気管支喘息、小児喘息、急・慢性気管支炎など
イノリン 気管支を広げて呼吸を楽にする薬 気管⽀喘息
ビソルボン 痰の粘り気を下げる薬 急・慢性気管支炎、肺結核など
ムコフィリン 痰の粘り気を下げる薬 気管⽀喘息、慢性気管⽀炎、上気道炎など
パルミコート 吸入ステロイド薬「ブデソニド」を主成分とする喘息の治療薬 気管⽀喘息
アスプール 気管支筋を弛緩させて気道を広げ、呼吸を楽にする薬 気管支喘息、慢性気管支炎など

※複数の薬液を組み合わせて用いる場合もあります。

ネブライザーの選び方のポイント

ネブライザーは病院やクリニックなどで多く利用されますが、家庭向けの機種も販売されています。 しかし、家庭向けの機種にもさまざまな種類があるため、どのように選べば良いのかと悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

ここでは、ネブライザーの具体的な選び方を紹介するため、機種選びの参考にしてみてください。

ネブライザーの種別による使用可能な薬剤

先述のとおり、ネブライザーは種類により、それぞれ使用可能な薬剤が異なります。

【ネブライザーの種別による使用可能な薬剤】

種類 使用可能な薬剤
ジェット式 多くの薬液に対応している。粘性の高い薬剤への適合性が高く、パルミコートのような懸濁剤(液体のなかに微細粒子が分散している薬剤)も使用できる。最も一般的な方式。
メッシュ式 薬剤の噴霧効率に優れ、効率的な吸入が期待できる。一方で、一部使用できない薬剤があり、特に粘性の高い薬剤には不向きな場合がある。また、パルミコートのような懸濁剤は詰まりやすいため使用に適していない。
超音波式 一度に大量の薬剤を噴霧でき、長時間の吸入も可能。ただし、粘性や表面張力の高い薬剤では噴霧能力が低下するなど、使用が推奨されないケースがある。また、パルミコートのような懸濁剤では、超音波の振動により有効成分が沈殿し、上澄みのみを吸入してしまう可能性があるため、使用に適さない。

ジェット式は多くの薬剤に対応できますが、メッシュ式や超音波式では一部使用できない薬剤があります。

ネブライザーの購入を検討する際は、処方される薬剤の種類やネブライザーの方式について、あらかじめ医師に確認しておくことをおすすめします。

本体の大きさ

ネブライザーは、種類により大きさや重さが異なります。

【各ネブライザー方式の大きさや重さ】

方式 大きさや重さ
ジェット式・超音波式 比較的大型で重量のある機種が多く、特定の場所に設置しての利用に適している。
メッシュ式 小型で軽量のため、携帯して持ち運ぶことも可能。

外出先での利用も想定している場合は、持ち運びに適したメッシュ式を選択すると良いでしょう。

動作音

ジェット式は動作音が大きくなりがちな点が特徴です。そのため、集合住宅にお住まいの方や、夜間に使用する機会が多い方にとっては、使用時の音が気になることもあるでしょう。

そのような場合には、動作音が比較的静かなメッシュ式や超音波式のネブライザーを検討するのがおすすめです。

自宅でのネブライザーの使い方

自宅でのネブライザーの使い方

以下は、ネブライザーを家庭で用いる際のおもな手順です。機種によって細かな操作方法が異なるため、詳細についてはお手持ちの製品の取扱説明書でご確認ください。

【ネブライザーの使い方】

① 薬液ボトルに薬液を1回分入れて蓋を閉める

② 呼吸しやすいよう座位やファウラー位(仰向けで足を水平にしたまま上半身を45度程度上げた半座位)の姿勢をとる

③ 顔にマウスピースやマスクを取りつける

④ ネブライザーの電源を入れ、風量や噴霧量などを調整する

⑤ 吸入を開始する

⑥ 薬液ボトルに薬液がなくなれば終了

マウスピースを用いる場合はきちんと口にくわえ、口に唾液がたまってきたら吐き出します。マスクを用いる場合は、鼻と口を覆うようにしてください。

ネブライザーの使用上の注意点

自宅でネブライザーを利用する際は、薬液の正確な分量や吸入の回数・頻度について、必ず医師の指示に従ってください。また、医師からの具体的な指示がない限り、ネブライザーで水分(蒸留水や精製水を含む)を吸入しないよう注意が必要です。

吸入中は使用者の顔色や呼吸の様子をよく観察し、頭痛・吐き気・息苦しさなどの異変を感じた場合は、ただちに吸入を中止してください。また、自宅での使用中に発作が繰り返されるような場合は、できるだけ早めに医療機関を受診することが重要です。

なお、ネブライザーが汚れていると、薬液とともに細菌が気管支や肺に運ばれてしまい、感染症を引き起こす可能性があります。吸入が終わったら、すぐに本体の洗浄・乾燥を行い、清潔な状態を保つよう心がけましょう。

まとめ

ネブライザーは、吸入療法に用いられる医療機器であり、薬液を霧状にして気道や肺などの患部に直接届けることができます。そのため、経口薬に比べて少ない量で効果を発揮しやすく、副作用の軽減や速効性といったメリットも期待できます。

また、安定的に霧を発生させられるため、特別な呼吸法を必要とせず、普段どおりの呼吸で吸入できる点も大きな魅力です。

ネブライザーには主に3つの方式があり、それぞれに特徴があります。使用する薬液の種類や、利用する時間帯・場所などを考慮し、ご自身やご家族にとって最適な機種を選んでみてください。

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