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ホーム> 介護のお役立ち情報> 介護用品・福祉用具のレンタルお役立ち情報> 認知症とは? 種類や症状・治療法・予防法を解説
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認知症は誰もがなり得る病気です。認知症になると脳の認知機能が低下し、過去のことを思い出せなくなったり、計画を立てて実行できなくなったりするなど、生活に支障が出てしまいます。
認知症を根本的に治す方法はまだ確立されていませんが、種類によっては症状の進行を遅らせることが可能です。また、生活習慣の改善によって予防できるとされています。
認知症の種類や症状、治療法を正しく理解し、日常生活を見直しておくことで、もし認知症のような症状が現れても、落ち着いて適切に対応できるでしょう。
本記事では認知症に関する基本的な知識を解説するとともに、認知症の予防法を解説します。
認知症とは、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態を指します。
65歳以上の高齢者を対象に国が実施した調査によると、令和4年度(2022年度)の調査の推計で、約12%が認知症とされています。また、同調査では、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)は約16%いるとされています。
出典:知っておきたい認知症の基本│政府広報オンライン
認知症は誰もが発症し得る病気です。自分自身だけでなく、家族や親しい人が認知症になる可能性もあります。
いざというときに慌てず対応できるよう、認知症の種類や症状、予防法について正しく知っておくことが大切です。
認知症の約9割は大きく4種類に分類され、「4大認知症」と呼ばれています。各種認知症についてそれぞれ表れやすい症状や特徴をみていきましょう。
アルツハイマー型認知症は、脳内の特殊なタンパク質(アミロイドβ)が増えることによって発症すると考えられています。記憶を司る海馬を中心に、頭頂葉を含む後方領域で脳がダメージを受けます。
アルツハイマー型認知症を発症すると、初期から記銘力(新しい経験を受け入れ、覚え込む能力)が低下します。また、記憶障害や見当識(日付や時間、場所などを認識する機能)障害、判断力の低下などの中核症状が現れます。比較的ゆるやかに進行することが多いです。
前頭側頭型認知症は、人格を司る前頭葉と言語を司る側頭葉が委縮することで発症すると考えられています。明確な原因は現在も解明されていません。
前頭側頭型認知症を発症すると、以下のような症状がみられます。
社会的なルールや常識から逸脱した行動が増えることもあり、家族や周囲の理解と対応が重要です。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血など、脳内の血管の異常によって発症すると考えられています。脳血管障害の大きさや場所が認知症の程度に影響します。
また、原因となる疾病のほとんどは生活習慣病が元になっているケースが多いです。
脳血管性認知症を発症すると、異常を起こした脳の部位によって症状は異なりますが、おもな症状には片麻痺、歩行障害、意欲や自発性低下、感情障害、頻尿や尿失禁・構音障害・嚥下障害などがあります。
レビー小体型認知症は、脳内の特殊なタンパク質(レビー小体)が増えることによって発症すると考えられています。記憶を司る海馬や、視覚を司る後頭葉までの広範囲で脳がダメージを受けます。
レビー小体型認知症を発症すると、初期から幻視や睡眠障害が見られ、徐々に注意障害(周囲からの刺激に対してうまく注意を向けられなくなる症状)や、パーキンソン症状(筋肉が固縮して体や表情が硬くなるなどの症状)、自律神経機能障害などの症状が表れます。
認知症の症状は、「中核症状」と「行動・心理症状」の2つに大きく分けられます。
それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。
中核症状は、脳の神経細胞の機能が低下することによって直接的に現れる、認知症の基本的な症状です。病気の種類に関係なく、多くの認知症に共通して見られます。以下のような症状が代表的です。
症状 | 内容 |
---|---|
記憶障害 | 短期記憶が失われるものの、長期記憶や一般常識は忘れにくいという特徴があります。 |
見当識障害 | 時間や場所、人がわからなくなります。症状が進行すると、通い慣れた場所へ行けなくなったり、知人や家族が誰かわからなくなったりします。 |
実行機能障害 | 計画を立てて実行したり、複数の作業を同時に行ったりするのが苦手になります。次第に単純作業も苦手になり、調理や着替え、掃除といった日常的な活動にも影響が出ます。 |
失行 | 一つひとつの動作はできるのに、その順序を覚えられなかったり、ある特定の作業だけが行えなくなったりします。失行の症状が進むと、日常生活で介助が必要になります。 |
失認 | 視覚などの五感に問題がないにもかかわらず、知覚したものを正しく認識できなくなります。慣れ親しんだ顔を認識できない、馴染みのある場所を認識できないなどの症状が表れます。 |
失語 | 「聞く・話す・読む・書く」の基本動作ができなくなります。自分の考えを言葉にできなかったり、相手の話を理解できなかったりするため、コミュニケーションをとるのが難しくなります。 |
行動・心理症状は、中核症状に加えて二次的に現れる精神的・行動的な変化です。本人のもともとの性格や生活環境、周囲の接し方などが影響して発症しやすくなります。症状は個人差が大きく、日常生活や介護者への負担に大きく関わることもあります。以下のような症状が代表的です。
症状 | 内容 |
---|---|
暴力・暴言 | 現状への不満や将来への不安などの感情を抑えられずに、暴言や暴力などが表れます。不安や不満がたまっていないか日々確認するとともに、認知症患者の自尊心を傷つけないようなコミュニケーションをとることが重要です。 |
抑うつ・不安・無気力 | 認知機能の低下に対する不安を要因として、症状が進行するにつれて抑うつ状態になります。うつ病とは異なります。 |
徘徊・行方不明 | 記憶障害や見当識障害が進行することで、今の場所がわからなくなったり、家にいるのに家に帰らなければと感じてしまったりして徘徊につながります。徘徊は事故や行方不明につながるため、徘徊を防ぐ対策が欠かせません。 |
帰宅願望 | 自宅以外の場所で「帰りたい」と訴えることはもちろん、家にいても帰宅を訴えるだけではなく、実際に外に出て行ってしまったりもします。 |
妄想 | ものを盗られたと感じる「もの盗られ妄想」、状況がうまく理解できないことによる「被害妄想」などが表れます。認知症による不安や寂しさ、周囲への不満などにより発生しやすくなるため、原因を取り除く工夫が必要です。 |
幻覚 | 実在しないものを実在しているかのように認識します。レビー小体型認知症で特に多い症状だとされています。 |
介護拒否 | 他人の手を借りたくない、介護の意味を理解できない、異性に介護されたくない、介護によって不快な経験をした、などの理由から介護を拒否するようになります。 |
不眠・睡眠障害 | 一日中ベッドにいることで睡眠のリズムが崩れ、昼夜が逆転したり、不眠になったりします。 |
認知症による記憶障害と加齢によるもの忘れにははっきりとした違いがあります。
加齢によるもの忘れは体験したことの一部を忘れ、もの忘れの自覚があるなどの特徴があります。一方で、認知症による記憶障害では、体験したことすべてを忘れる、物事を忘れている自覚がないなどが特徴です。
認知症は、早期に気づいて適切な医療や介護につなげることで、進行を遅らせたり、生活の質を保ったりできる可能性があります。
日常的なもの忘れと認知症による記憶障害の違いを正しく理解し、認知症の疑いがある場合は、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
認知症の治療法は原因疾患によって異なります。
アルツハイマー病やレビー小体型認知症などの中枢神経変性疾患では、根本的な治療法が確立しておらず、対症療法によって一時的な改善に努める治療が行われます。一方、血管性認知症など脳の血管にかかわる疾患では、脳血管の状態を改善する治療が中心です。
認知症の種類や治療法は、身体検査や画像検査、神経心理学検査の結果によって判断されます。気になる症状があれば、まずは専門医や専門家などに相談しましょう。
検査 | 内容 |
---|---|
身体検査 | 血液検査、尿検査、心電図検査、レントゲン検査など |
画像検査 | CTやMRIによる形態画像検査、SPECT検査など機能画像検査 |
神経心理学検査 | 長谷川式簡易知能評価スケール、時計描画テストなどの認知症テストを実施 |
認知症の症状は、本人だけでなく、共に暮らす家族の心身にも大きな影響を与えることがあります。「認知症の人と家族の会」や「認知症カフェ」など、当事者とその家族を支援する団体やコミュニティもありますので、不安や悩みがあれば一人で抱え込まず、気軽に相談してみましょう。
予防法はどれか一つだけを行えば良いという訳ではなく、日常生活を見直すことで認知症を予防できる可能性があるとされています。以下の4つのポイントを参考に、無理のない範囲で生活習慣を整えていきましょう。
ゲームやパズルなど、頭を使った遊びは、認知症予防に一定の効果があるとされています。ストレスを感じずに楽しみながら継続できるものを選び、誰かと一緒に取り組むとさらに効果的です。
運動は、認知機能を改善したり認知症の発症を抑えたりする効果があるとされています。身体が充分に動くうちに、毎日の生活に運動習慣を取り入れましょう。
糖尿病・高血圧・心疾患などの生活習慣病は、認知症の原因となるケースが多いとされています。身体を作る食生活のバランスを見直すことが重要になります。
睡眠と認知症には深い関係があるとされており、質の良い睡眠も予防には欠かせません。睡眠時間だけでなく、睡眠の質にも目を向け脳に十分な休息を与えましょう。なお、寝酒は睡眠の質を落としてしまうため、避けるのが望ましいとされています。
2023年12月には、認知症治療薬「レカネマブ」が日本でも販売開始となりました。「レカネマブ」は、アルツハイマー型認知症の原因でもあるアミロイドβの除去と進行抑制効果が期待できる薬剤です。投与対象は、アルツハイマー症による軽度認知症(MCI)、または軽度の認知症の方になります。
認知症は誰にでも起こり得る病気であり、自分自身だけでなく、家族など身近な人が発症する可能性もあります。そのため、認知症の種類や症状、対処法を正しく理解しておくことが大切です。疑わしい症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
また、運動習慣やバランスの取れた食事、質の良い睡眠は、認知症の発症リスクを下げたり、進行を緩やかにしたりする効果があるとされています。日常生活に支障が出る前に、できるだけ早く生活習慣を見直すことが予防の鍵となります。
健康的な生活を心がけ、認知症の予防に取り組んでいきましょう。
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