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ホーム> 介護のお役立ち情報> 介護用品・福祉用具のレンタルお役立ち情報> 入浴介助の手順は?必要なものや服装、便利グッズ、ポイントを紹介
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入浴介助とは、障がいや加齢などで身体の機能が低下し、自力で入浴できない方に対して、入浴のサポートをすることです。
この記事では、入浴の目的や入浴介助の手順、必要なものなどについて解説します。入浴介助中の事故を防ぐポイントや、利用できる可能性のある介護サービスについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ここでは、入浴を行うおもな目的を紹介します。
要介護者の身体を清潔に保つことは重要です。入浴しないでいると、皮膚に汚れが付着したままになり、褥瘡(床ずれ)や感染症につながる恐れがあります。
また、入浴の際は衣服を脱ぐため、傷や内出血などの有無を確認できます。日常的に身体の状態を確認しておくことで、早めの対策を講じることが可能です。
入浴によって体温が上がり血行が良くなると、新陳代謝が高まります。また、浮力で筋肉の緊張がほぐれ、関節の痛みが和らぐこともあります。副交感神経が刺激されてリラックス状態になるため、睡眠の質を高める効果も期待できるでしょう。
要介護者の状態によっては、入浴で体調が悪化することがあります。入浴前には以下のチェック事項を確認し、異常がある場合は入浴を避けるようにしましょう。
まず体調面では、以下の項目に異常がないか確認しましょう。
・体温
・血圧
・脈拍数
・呼吸の状態
・体調不良の自覚
・食欲の低下
・そのほかの気になる点
入浴による血圧の変化は心臓に負担をかけるため、体調に不安がある際は無理に入浴せず、清拭などに切り替えるようにしてください。
次に、身体面では以下の項目に異常がないか確認しましょう。
・皮膚の乾燥
・傷
・湿疹
・内出血
・皮膚の色
上記の項目に異常がみられる場合は入浴を中止し、医療機関に相談するようにしてください。
入浴介助を行う際には、事前に必要なものを用意しておくとスムーズです。ここでは、入浴介助の必需品やあると便利なグッズ、入浴介助時の介護者の服装を紹介します。
入浴介助をする前に、以下の必需品をそろえておきましょう。
・スポンジやボディタオル・・・肌を傷付けにくい、やわらかな素材がおすすめ
・ボディソープやシャンプー・・・ボディソープは泡で出るタイプを使うと、泡立てる手間がかからない
・シャワーチェア(入浴補助椅子)・・・身体を洗うときに座る。背もたれがあるものだと転倒防止などにもなる
・転倒防止マット(滑り止めマット)・・・転倒によるケガを防ぐため、洗い場に敷く
・着替え・おむつ・・・要介護者の状態に合わせて必要なものを用意する
・タオル・・・吸水性の高い大判のものが便利
・保湿剤・・・入浴後の清潔な肌にすぐ塗布できるよう用意しておく
・爪切り・・・高齢者の爪は硬くなっていることが多いため、湯上がりのタイミングでやわらかくなった爪を切るとよい
必需品に加えて以下のものを用意しておくと、介助者や要介護者の負担が軽くなる可能性があります。
すぐにすべて準備する必要はありませんが、状況に応じて導入を検討してみてください。
・浴槽台・・・浴槽内に入れておくと、椅子として使える
・バスボード・・・浴槽の両縁にわたすことで、一度座ってから浴槽に入れるようになる
・浴槽用手すり・・・工事なしで浴槽の縁に取り付けることができ、手すりを持ちながら入浴できるようになる
・入浴用介助ベルト・・・要介護者に着用させておくことで、介助者の腰への負担を軽減する
介助者は、事前に以下のものを着用しておくと、安全かつ衛生的に入浴介助ができます。
・撥水性が高いエプロン・・・入浴介助時の水濡れや汚れを防げる
・滑り止め加工が施されたサンダルか長靴・・・介助者・要介護者双方の転倒リスクを減らせる
・半ズボン・・・しゃがんだり要介護者の身体を支えたりしやすい半ズボンの着用がおすすめ
・長さのある手袋・・・足や陰部の洗浄のため、水が浸入しにくい長さのある手袋を付ける
手順・流れをしっかり理解し、安全かつスムーズに入浴介助を行えるようにしましょう。
入浴前には以下の手順で準備を進めます。
1. 周辺環境を整える・・・脱衣所につまずくようなものが置かれていないか、浴室の床が滑りやすくなっていないかなどを確認し、事故が起きにくい環境を整える。
2. 脱衣所と浴室を暖める・・・脱衣所と浴室の温度差が大きいと、急激な温度変化により血圧が大きく上下してショック症状を起こす「ヒートショック」が起きやすくなる。冬場は脱衣所に暖房器具を置く、浴室ではエアコンを使うか浴槽・壁にお湯をかけて温度を上げるなどの対策をする。
3. 浴槽にお湯を張る・・・40度を目安にお湯を張る。
4. 要介護者の水分補給をする・・・一度の入浴で約800mlの水分が失われるといわれているため、脱水症状や熱中症などが起きないように水分補給を行う。
5. 要介護者のトイレを済ませる・・・入浴中は筋肉がほぐれるため失禁しやすくなる。浴室での失禁に要介護者が落ち込んでしまうケースもあるため、入浴前にトイレを済ませる。
6. 要介護者の脱衣を手伝う・・・転倒リスクを考え、要介護者を座らせて脱衣を手伝う。動かしにくい部分があれば、支えながらゆっくり介助する。
入浴中は、おもに以下の手順で入浴介助を行いましょう。
1. 床やシャワーチェアにお湯をかけてから座ってもらう・・・身体を冷やさないように床や椅子などにお湯をかけて暖めてから、椅子に座らせる。
2. お湯の温度を確認してかける・・・まず介助者がお湯の温度を確認し、要介護者にも確認してもらい、問題なければ声をかけながら足もとからお湯をかけていく。
3. 身体を洗う・・・髪→顔→上半身→下半身の順でやさしく洗い、しっかりすすぐ。上半身や陰部など、自分で洗える部分は要介護者本人に洗ってもらう。
4. 浴槽に入ってもらう・・・のぼせないよう、5分程度であがってもらう。
5. 浴槽から出る・・・足もとに気を付けながら、ゆっくりと浴槽から出る。
以下は入浴後の介助手順です。入浴後の要介護者は体力を奪われているため、体調をチェックしながら介助しましょう。
1. タオルで水分を拭き取る・・・身体や頭をタオルでしっかり拭き取る。転倒を防ぐため、足の裏の水分も拭き取る。
2. 椅子に座らせて保湿剤を塗り、着替えさせる・・・入浴前の脱衣と同様に、着替えは座った状態で行う。必要に応じて保湿剤を塗布し、ゆっくり着替えさせる。
3. 水分補給を行う・・・入浴すると水分が奪われるため、入浴後もしっかり水分補給を行う。
ポイントを押さえて入浴介助を行うことで、事故のリスクは減らせます。ここでは、入浴介助のポイントをいくつか紹介します。
入浴介助は、「お湯はちょうどいい?」「今から髪を洗うよ」など声かけをしながら行いましょう。急に身体に触ったりせずに、要介護者の気持ちに寄り添った対応を心がけるようにします。
家族でも裸を見られたくないという方もいるため、プライバシーにはできるだけ配慮しましょう。要介護者本人の羞恥心を刺激しないように注意しつつ、シャワーで済ませたい、浴槽に浸かりたいなど、これまでの入浴の仕方を尊重する姿勢を持つようにします。
入浴は体力を消耗するため、体調が良くないときには控えるようにしましょう。入浴を控えたときには、蒸しタオルで清拭するなどのケアをします。
入浴に関しては、以下のように在宅介護の方が受けられる介護保険サービスがあるため、必要に応じて利用を検討してもよいでしょう。
・訪問入浴サービス・・・自宅に簡易浴槽を運び、入浴サービスを提供する。スタッフの人数は、要介護の場合で看護師1名+介護職員2名、要支援の場合は看護師1名+介護職員1名。寝た状態で入浴できるため、介護度が重い方も対応可能
・訪問介護サービス・・・自宅の浴槽を使用して、ヘルパーが入浴を手伝う。基本的にヘルパー1名が対応する。軽い介助で入浴できる方が対象
・通所サービス(デイサービス・デイケア)・・・通所サービスの施設は入浴しやすい環境になっており、入浴に特化したデイサービスも増えている。訪問介護での入浴が難しいケースで利用されることが多い
・ショートステイ・・・介護施設に数日間宿泊している間に、入浴を含む介護サービスが提供される。通所サービスと同様に、施設の浴室を利用できる
入浴は、要介護者の身体を清潔に保ち、生活の質を維持するためにも重要です。入浴介助の際には、事前に入浴の必需品を準備し、要介護者の体調面や身体面に異常がないかをチェックしましょう。そのうえで、入浴介助の手順・流れをしっかり理解し、スムーズに入浴介助を行えるようにしてください。
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介護者の身体の状態に合わせた入浴フローチャートでは、入浴関連商品の活用方法も合わせて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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