高齢者の誤嚥時の対処法

高齢者の不慮の事故による死亡者数は、転倒・転落・墜落についで「食べ物が気管に入ってしまう誤嚥(ごえん)などによる窒息」が多くなっています。

【消費者庁調査】令和3年度65歳以上の不慮の事故による死因別死亡数 転倒・転落・墜落:9,509人、誤嚥などによる不慮の窒息:7,246人、溺死・溺水(できすい):6,458人・交通事故:2,150人

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こんな食べ物が詰まって誤嚥(ごえん)・誤飲に…

ご飯、もち、肉、食パンのイラスト

高齢者は、お餅のほか、おかゆやご飯、肉、パンなど、詰まりそうにない食品を食べても誤嚥(ごえん)・誤飲し、救急車で搬送されることがあります(東京消防庁「救急搬送データ」をもとに平成30年 消費者庁が作成した資料より)。食事中は高齢者に寄り添い、咀嚼状況や顔色を常に気にかけながら誤嚥・誤飲に注意しましょう。

★こんな高齢者は、誤嚥に特に要注意!

次のような人は、誤嚥を起こしやすいと言われています。
食事中の姿勢や調理法などに気をつけてあげましょう。(くわしくは、楽しく安全に食事をしていただくためにスムーズな食事介助のコツ などをご確認ください)

《誤嚥を起こしやすい人》

誤嚥(ごえん)を起こしている男性のイラスト

誤嚥(ごえん)を起こしている男性のイラスト

  • ・よくむせる人
  • ・食べ物のかけらが口の中によく残っている人
  • ・食事に時間がかかる人
  • ・口を大きく開けられない人(開口障害)
  • ・しっかり噛めない人
  • ・胃・食道に逆流や通過障害のある人
  • ・認知症の人
  • ・全身の衰弱や意識障害などがある人  
    など

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食事中に「むせた」ときは・・・

誤嚥が起きると、咳が出たり、むせたりします。軽い場合は、次のような対処をしてください。

前屈姿勢にして、背中を下から上へさすり、「咳をしてください」と声をかけながら咳を出しやすくしましょう。

●前屈姿勢にして背中をさする

前屈姿勢にして、背中を下から上へさすり、「咳をしてください」と声をかけながら咳を出しやすくしましょう。

前屈姿勢にして、背中を下から上へさすり、「咳をしてください」と声をかけながら咳を出しやすくしましょう。治まらないようなら、背中を軽くトントンとたたきます。決して、背中を強くたたいてはいけません。

●食事を一旦休憩し、落ち着いてきたら大きく深呼吸して、むせなければ食事を再開します。

お茶や水は、誤嚥(ごえん)が悪化する場合もあるので、落ち着いた後にしましょう。

●お茶や水は、誤嚥が悪化する場合もあるので、落ち着いた後にしましょう。

お茶や水は、誤嚥(ごえん)が悪化する場合もあるので、落ち着いた後にしましょう。

★認知症の人が間違って口に入れるモノ

認知症の人が間違って口に入れるモノ 包み・袋、薬、入れ歯、洗剤のイラスト

認知症の人は「包み・袋」や「薬」「入れ歯」「洗剤」などの食べ物ではない異物を口にして救急搬送されることがあります(東京消防庁「救急搬送データ」をもとに平成30年 消費者庁が作成した資料より)。特に、入れ歯や固い包装容器など鋭利なものは食道や胃腸を傷つけてしまうことがあるので要注意です。

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呼吸困難になったときは・・・

食事中に誤嚥し、むせて咳が激しくなると呼吸困難になります。

▼こんな症状が表れたときは、すぐに救急車119番を呼びましょう!

おもちをつまらせた男性のイラスト

おもちをつまらせた男性のイラスト

  • ・顔面や唇が紫色(チアノーゼ)になる
  • ・咳も声も出なくなる
  • ・手で首をかきむしるチョークサインがある

▼救急車が来るまでの間、指で異物を掻き出します

異物が外から見えていれば指で掻きだします。

《異物の掻きだし方》

異物の掻きだし方(かた)のイラスト

異物の掻きだし方(かた)のイラスト

  • 1.ガーゼやハンカチを指に巻きます
  • 2.本人を横に寝かせます(入れ歯を外します)
  • 3.異物を掻き出します

★呼吸困難になったときの救急救命法

●ハイムリッヒ法(腹部圧迫法)

ハイムリッヒ法(腹部圧迫法)

ハイムリッヒ法(腹部圧迫法)

  • 1.本人の背後にまわり、ウエストに手を回します。
  • 2.片手でげんこつをつくって、みぞおちに置きます。
  • 3.もう一方の手で手首を握り、手首を握った手で弾みをつけて勢いよく、げんこつをみぞおちに押しつけて腹部を圧迫します。
  • ※妊娠中の人や子どもには行わないようにしてください。

●背部叩打法

背部叩打法(はいぶこうだほう)

背部叩打法(はいぶこうだほう)

  • 1.本人の背後にまわります。
  • 2.手の平のつけ根で、肩甲骨の間を力強く何度も叩きます。
  • ※どちらか一方を行っても効果のない場合は、もう一方を試してみます。
  • ※意識がなくなった場合は、急いで救急車を呼びましょう。講習を受けたことがある人は、心肺蘇生を行ってください。
  • ※心肺蘇生の方法は、こちらをご覧ください。
    https://www.med.or.jp/99/cpr.html

誤嚥が起きたら、早めに対処することが大切です。このようなポイントを頭に入れておきましょう。

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監修:株式会社ヘルシーオフィス フー
代表取締役 德田 泰子
【管理栄養士・ヘルシーフードプランナー】

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