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ホーム>介護のお役立ち情報>暮らしと健康ライブラリ>楽しく快適に食事をしていただくために
年齢を重ねると噛む力や飲み込む力が弱くなり、食事中に食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」になる可能性があります。そこで今回は、高齢者や要介護者が快適に楽しく食事をしていただくための基本を紹介します。
目次
まずは、高齢者の身体の変化と、食事の影響を知っておきましょう。
《身体の変化》
★高齢者が「誤嚥」から「誤嚥性肺炎」になりやすい理由
1. のどまわりの筋肉量の低下
食べものが口から食道に運ばれると、気管の入口にフタをして奥に入らないようにします。しかし、加齢にともない食道や気管まわりの筋肉量が減少すると、フタの隙間から食べ物が入り込むことがあります。また、咳をして異物を吐き出す機能の低下も一因になります。
2. 免疫力の低下と歯磨きの不徹底
加齢や栄養不良などが原因で免疫力が低下します。また、歯磨きが不十分だと口の中が清潔に保たれず、肺炎をもたらす細菌が繁殖し、睡眠中などに菌が混じった唾液を少しずつ誤嚥してしまいます。
3. 逆流性食道炎などの病気
胃の内容物が食道に逆流する逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)も誤嚥性肺炎の原因になります。逆流したものを誤嚥することで、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)を発症することがあります。また、脳梗塞の後遺症やパーキンソン病などの病気や、薬がもとで嚥下機能の低下、口の中の乾燥が起こることもあります。
高齢者や要介護者が快適で楽しく食事をするために気をつけたいポイントを紹介します。
《テーブルや車イスで食事をする場合》
座位を保てる人は、できるだけテーブルや車イスで食事をしてもらいましょう。自分で食べると機能維持につながります。
★よくない姿勢の例
イスにもたれて顔が上を向いたり、真正面を向いたりすると、のどから気管への角度が直線になり、食べ物が気管に入りやすくなります。
また、腹部が圧迫されて苦しくなり、食事が食べにくくなります。足が床についてないと姿勢が安定しません。
《ベッドで食事をする場合》
普段、ベッドで過ごしている方は、基本的に食事介助が必要なことが多いので、周りの方が次の点に気をつけてあげましょう。
食事のときの姿勢以外に、誤嚥を防ぐポイントを紹介します。
●食事前
食事前に「嚥下体操」をしましょう
食事前に飲み込みをよくするために、嚥下体操しましょう。
●食事中
●食後
食べ物が逆流する場合もあるので、食後1~2時間は上体を起こした姿勢を保つ
食べ物が逆流する場合もあるので、食後1~2時間は上体を起こした姿勢を保つ
★食後の口腔ケアを徹底しましょう
食べ物が口の中に残っていると気管に入り、誤嚥性肺炎や窒息の原因になることがあります。食後には歯磨きやうがいなどを徹底しましょう。入れ歯の場合は、外して洗浄することを忘れずに。
また、口の中の雑菌が繁殖して胃腸に入り、消化器系の疾患の原因となる可能性もあります。
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監修:関西医療学園専門学校 理学療法学科
教員 理学療法士 熊崎 大輔