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介護のいろは 福祉用具使い方編 車椅子から自動車への乗り移り
通院やお出かけなどに自動車を利用する方は少なくないでしょう。屋外での移乗は転倒するとケガにつながりやすいので、慎重におこないます。
車椅子を自動車にななめにつけ、ブレーキをかけてフットサポートを外します。介助者は膝を曲げて腰を低くし、ご本人の両脇の下に手を入れ、抱き起こします。このとき、ご本人にはできるだけお辞儀をするように足に体重をかけてから立ちあがってもらうと、力が入りやすくなります。
ご本人が完全に立ち上がったら、座席の方向へおしりが向くよう回転させ、ゆっくりと座席に腰を下ろしてもらいます。このとき、自動車のフレームに頭をぶつけないように頭を深く下げてもらうとスムーズです。しっかり座席に腰を下ろしたことを確認したら、両脇の下から手を外します。
奥側の脚⇒手前の脚の順に車内に入れます。ご本人が自力で入れられる場合は、ご自分で動かしてもらいます。自力で入れられない場合は、膝裏とかかとを手で支え、車内へ入れましょう。横向きになっていた身体が前向きになったら、シートベルトを装着します。
自動車から降りるときは、乗るときと逆の動作をします。まず、フットサポートを外した車椅子を自動車にななめにつけ、ブレーキをかけます。そして外から座席のドアを開け、シートベルトを外し、ご本人の身体を座席の上で回転し横向きにします。
ご本人の両足を地面にしっかりつけ、両脇の下に手を入れます。自動車のフレームに頭をぶつけないよう、ご本人には頭を深く下げてもらいます。ご本人の両足に体重がのったら、脇の下に入れた手を上方へ力を入れ、立ち上がりをサポートします。
ご本人が完全に立ち上がったら、車椅子側の足を一歩前に踏み出し、車椅子の方向へおしりが向くように回転させます。再びお辞儀をするように頭を深く下げてもらい、膝関節と股関節を曲げながらゆっくり座ります。完全に車椅子に座ったら、フットサポートを取り付け、両足をのせます。
足腰の弱い方や車椅子の方が乗り降りしやすい工夫がされた自動車を「福祉車両」といいます。座席が回転するもの、座席が電動で外へせり出すもの、車椅子のままスロープで後部座席へ乗り込めるものなど、福祉車両にもいろいろなタイプがあります。ご本人の症状や今後の変化の見込み、使用頻度などを考えて、福祉車両を選びましょう。
一般車にはない機能があるため、福祉車両は購入費がやや割高です。最近では福祉車両をレンタルしているレンタカー店も少なくありません。レンタルなら、必要なときだけ手ごろな金額で利用することができます。
福祉車両の購入時には、消費税や自動車税などの非課税・減免措置があります。さらに自治体により、有料道路通行料金の割引や駐車禁止の適用除外など、さまざまな助成制度が用意されていることも。対象となる制度や手続きが複雑なことも多いので、まずは自治体の福祉事務所に相談しましょう。