運動習慣をつけて認知症を予防

運動をすると認知機能を維持・向上したり、認知症の発症を防止したりする効果があるという報告が多数されています。認知症予防には、毎日の生活に運動を積極的に取り入れましょう。運動そのものも効果的ですが、外出して人との交流が生まれると、毎日の生活に刺激が生まれ、認知機能の向上につながります。
目次
日常的な運動の効果
1. 筋力や運動機能アップによる転倒防止
運動で筋力を徐々につけていくと、つまずきなどの転倒を防止します。また、つまずいても咄嗟に手をつくなどの行動ができます。
2. 血行の改善
運動をすると全身の血行がよくなり、脳に送られる血液量が増えます。血液とともに酸素と栄養素も運ばれ脳を活性化します。
3. 生活習慣病の予防
適度な運動習慣をつけると、生活習慣病予防につながります。特に4大認知症のひとつである脳血管性認知症は、生活習慣病が原因となって引き起こされることが多いため、適度に運動する習慣を身につけましょう。
4. 外出先で人と交流し、脳を活性化
加齢により運動機能が低下すると、身体を動かすことが負担になり、外出をしようとする意欲も低下してきます。また、運動機能の低下により転倒リスクが高まると、行動しようとする気持ちも薄くなってきます。その結果、さらに運動機能が下がり、閉じこもりや寝たきりにつながるという悪循環に陥ります。散歩などで外出したついでに人と交流することで脳の刺激になり、認知症予防につながります。
無理なくできる有酸素運動が効果的
毎日、無理なく続けられる運動としては有酸素運動がおすすめです。有酸素運動とは、ウォーキングやジョギング、水泳など、継続的に酸素を取り込みながら、エネルギーをゆっくり燃焼させる運動のことです。一方、無酸素運動は短距離走や筋トレなど、短時間に比較的強い力が必要になる運動のことです。
●主な有酸素運動
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、
エアロビクス、水泳 など
★効果的なウォーキングの方法
有酸素運動の中で最も気軽にできるのはウォーキングかもしれません。
ウォーキングは、毎日20~30分間、5000~7000歩、週2~3回行うことがおすすめです。胸を張って腕を大きく振り、歩幅を少し大きくして歩いてみましょう。途中で少し早歩きを加えるのも有効です。外出するときは帽子や水分補給のドリンクは必須です。
- ① 姿勢 :おへそのしたに力を入れ、背筋を伸ばす。
- ② 目線 :胸を張り10mぐらい先を見る。
- ③ 腕振り:腕は前ではなく、後ろに行くイメージで。
- ④ 歩幅 :普段より少し大股で。
- ⑤ 着地 :かかとから着地して、つま先に体重を移動。つま先で地面を蹴る。
また、スキーのストックのようなポールを持って歩く「ノルディックウオーキング」もおすすめです。
さらに身体の運動と頭の運動を同時に行う「ながら運動(二重課題)」も認知症予防に効果的です。たとえば、「ウォーキングをしながら今日のメニューを考える」「洗濯物を干しながら簡単な計算をする」などです。
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監修:一般社団法人 日本認知症予防協会