座ったままでできる着替えとシーツ交換
在宅で介護をしている方のなかには、着替えがうまくできなくて悩んでいる方もいらっしゃるかと思います。着替えがうまくいかない理由は、正しいやり方がわからなかったり、マヒのある方への対応方法がわからなかったりするためです。今回は座ったままできる着替えの手順と、在宅介護には欠かせないベッドシーツの交換方法についても解説していきます。
目次
- 1)座った状態で着替える方法
- 2)シーツ交換の方法
座った状態で着替える方法
さっそく座った状態で着替える方法を紹介していきましょう。
- 1.相手に片方の肘を曲げてもらいます。服の脇下から手を中に入れて、曲げた方の腕を脱がしていきます。
- 2.両腕が抜けたら、服の襟口を広げて頭を脱がせます。
- 3.次に着替えを着せましょう。まずは動きにくい手から着せていきます。
- 4.袖口から手を入れて、相手の方の手首をかるく掴み、残った手で袖を通していきます。反対側も同様に行いましょう。
- 5.最後は服を下に引っ張り、しわやたるみを伸ばしましょう。
★脱健着患(だっけんちゃっかん)の法則で
片麻痺のある方の更衣介助には、脱健着患(だっけんちゃっかん)という約束があります。
脱健着患とは、
- ・脱ぐ時は「麻痺のない健側から脱がせる」
- ・着る時は「麻痺のある患側から着せる」
という約束を4字熟語にしたものです。
たとえば右手に麻痺がある片麻痺の方を例に挙げてみましょう。
左手が健側となり右側が患側になります。
脱ぐ時は、左手から脱いで右手は最後になります。
着る時は、右手から着て左手があとです。
脱ぐ時と着る時で順番が変わりますので、混乱する方も少なくありません。
そのため脱健着患と4字熟語で覚えてしまいましょう。
シーツ交換の方法
- 1.ベッドの横に立ちましょう。シーツの表と裏を間違えないように、自分がいる半分側にシーツを広げます。次に残りの半分を広げましょう。一度に広げるとバランスが悪くなるため、1つ1つ行っていきましょう。
- 2.シーツを広げたら、はみ出ているシーツをマットレスの下に挟んでいきます。
頭側の角を2つ挟みこんでから、足側の2カ所を挟みましょう。
- 3.垂れ下がっているシーツを使って、ベッドの角に三角形を作っていきます。シーツをつかみマットレスと垂直になるように折ると大きな三角形になるはずです。
- 4.三角形の角を指で押さえながら下に引っ張り、マットレスの下に入れ込みます。
- 5.残りの3つの角も同様に行いましょう。
- 6.最後にシーツを引っ張り、しわを伸ばしていきます。
★定期的なシーツ交換で褥瘡を予防しよう
定期的にシーツ交換を行うと、褥瘡の予防につながります。
シーツは、目に見えない雑菌が繁殖しやすく、介護施設では最低1日1回のシーツ交換が義務付けられています。
しかし腰にも負担がかかるシーツ交換を毎日行うことは大変でしょう。日中に介護をしながら、シーツ交換を毎日行うのは簡単ではありません。
在宅介護の支援では、在宅で暮らしている方のシーツ交換や掃除・洗濯といった家事のサポートも受けられます。自宅で介護をがんばっている方こそ、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
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監修:関西医療学園専門学校 理学療法学科教員
理学療法士 熊崎 大輔