床ずれの予防法
床ずれは一度かかってしまうと、なかなか治りづらい病気なので、予防が大切です。時々、体位を変換したり、シーツの摩擦やずれに注意したり、皮膚を清潔に保つなど配慮しましょう。また、床ずれの対応は毎日、こまめに行わなければいけないため、介護する側に疲れが出ることもあります。ときには介護サービスを利用したり、身近な人に助けてもらいましょう。ここでは床ずれの予防に役立つ対応方法について見ていきます。
時々、体位を変える
床ずれの予防は、時々、体位や姿勢を変える必要があります。適切な床ずれ防止用具を使用して2〜3時間に1回程度は、体位を変えましょう。寝たきりの方は、「右向き⇔仰向け⇔左向き」の順に変えていきます。
シーツの摩擦やずれに注意
体位変換やベッドから車いすに移乗するときに身体を引きずるとシーツや衣類がシワになり圧迫する原因になります。シーツや衣類にシワが入らないように気をつけましょう。
たとえば、可動式ベッドで背もたれを上げるときは、深く腰かけられるようにしてあげましょう。また、高齢者を車いすに乗せるときは、浅く座らせると少しずつ下にずれるので、深く腰掛けられるように介助しましょう。
体位変換などのときには必ず声をかけましょう。無理をして体位を変えると、皮膚にダメージを与えてしまい、介護する側も腕や腰を痛めてしまうことがあります。十分に注意してください。また、痛いところや不快な点はないかをよく聞きましょう。
スキンケアを徹底
床ずれを防ぐためには、皮膚を清潔に保つことが大切です。入浴や身体をていねいに拭き取ったり、こまめにおむつを交換したりしましょう。また、冬場には皮膚が乾燥して床ずれが生じやすくなるため、クリームなどで保湿しましょう。
栄養状態に気を付ける
床ずれの予防や治療のために、栄養バランスの良い食事を心がけ、足りない分は栄養補助食品を利用しましょう。ただし、他の病気に配慮する必要もあるので、かかりつけ医に相談をしてください。
車いすを利用している人は
車いすには、座りっぱなしにならないように注意しましょう。自分で姿勢を変えることができる人は15分に1回程度腰を浮かせたり、床に足を着いてお辞儀をしたりするようにします。自力で動くことが難しい人は、1時間に1回程度車椅子の角度を変えて後ろに倒したり、ベッドに移って横になったりして圧迫をしないようにします。
介護・福祉用品を活用する
床ずれ防止をサポートする介護・福祉用品を使えば、床ずれを防止するだけではなく、介護者の負担を軽くできます。
■特殊寝台(介護用ベッド)
特殊寝台(介護用ベッド)は、ベッドの高さや角度を変えることで、ベッドから起き上がったり立ち上がったりするときの動作を補助してくれます。
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■床ずれ防止用具
床ずれ防止用具には広い面で支えて体圧を分散できる「体圧分散式」と、エアマットレスとも言いますが、複数の空気パッドを膨張・収縮して身体を支持する面を変化させて、体への圧力を分散する「圧力切替型」の2種類があります。自力で寝返りができない人や寝たきりの人は「圧力切替型」を選びましょう。また、エアマットレスのなかには自動で体位変換をしてくれるものもあります。
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■体位変換器
体位変換器は、高齢者の身体の下に器具を差し込み、テコの原理や摩擦を利用することで、少ない力で身体を動かします。
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床ずれを予防する介護・福祉用具は、介護保険の対象で、原則1割の自己負担額でレンタルすることができます(所得に応じて2割または3割)。くわしくはケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談してください。
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参考サイト:
一般社団法人 日本褥瘡学会
http://www.jspu.org/jpn/patient/about.html
監修:高齢者生活福祉研究所
理学療法士 所長 加島 守