運転免許の自主返納を検討しましょう
高齢になると、身体能力や認知能力の低下により、若いときのように身体が動きにくく、判断力も鈍くなります。「運転中にヒヤっとしたことがある」「運転に自信がなくなった」と不安を感じたり、「家族から運転をやめてと言われた」ことはありませんか。そんな方は、自主的に運転免許の取消しを申請できる「自主返納の制度」を検討しませんか。ここでは免許を返納するメリットなどを紹介しますので、家族や親族でじっくりと話し合ってみましょう。
免許を返納するメリット
■事故を起こす心配がなくなる
免許返納すれば、交通事故を起こす心配がなくなります。本人はもちろん、周りの家族も安心します。
■車の維持費がかからない
車の購入費用、車検・整備費用、ガソリン代などの維持費がかからなくなります。反対に電車やバスなどの交通費がかかるかもしれませんが、車の維持費に比べれば安いのではないでしょうか。
■身分証明書代わりになる「運転経歴書」を受けられる
運転免許を返納した方は、「運転経歴証明書」を受け取れます。顔写真付きの身分証明書として公的な場面で使えます(身分証明書として対応していない機関もあります)。
■さまざまな支援制度を利用できる
運転経歴証明書を提示すると、さまざまな特典を受けることができます。地域によってちがいますが、タクシーやバスの運賃割引や、お店、ホテルの割引サービスなどがあります。市町村の窓口で確認してみましょう。
■足腰を鍛えたり、認知症予防につながる
車の運転ができなくなると行動範囲が狭くなりますが、徒歩またはバスや電車で行けるところは積極的に歩いていくようになります。足腰が鍛えられ、友人や夫婦で歩きながら「しりとり」をするデュアルタスクを実践すれば認知症予防につながります。
自主返納のサイン
では、どのようになれば自主返納する必要があるのでしょうか。たとえば、次のような項目が複数あったり、頻繁に行ってしまうことがあれば、免許返納を検討するサインです。車に家族に同乗してもらい確認しましょう。
- ●左右のウインカーを間違って出したり、出し忘れたりする
- ●歩行者や障害物、他の車に注意が向かないことがある
- ●カーブをスムーズに曲がれないことがある
- ●車庫入れのとき、塀や壁をこすることが増えた
- ●信号や標識を無視して通行することがある
- ●右左折時に、歩行者や対向車などをよく見落とすようになった
- ●車線からはみ出して走ることがある
- ●停止線でうまく止められていない
- ●道に迷うことがある
- ●車間距離が短い
- ●走行スピードが極端に遅い
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/koreisha/korei_check_list30.html
免許返納の手続き
免許返納の手続きは、地域の警察署や各運転免許センターに行き、本人が申請してください(代理人による手続きは受理されません)。
参考サイト:
安全運転を科学するSSD研究所
https://www.ssd-laboratory.com/
運転免許証の「自主返納」について(政府広報オンライン)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201804/3.html
高齢者等の交通事故防止(警視庁)
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kotsu/jikoboshi/koreisha/index.html
監修:安全運転を科学するSSD研究所