気になる病気 生活習慣病その3
良くないことは分かっていても、なかなか改善できないのが生活習慣の乱れ。そのまま放っておくと生活習慣病につながってしまうかもしれません。
少しずつでも身近なことから見直せば、さまざまな病気のリスクを回避できます。
睡眠
- 脳が休息する唯一の時間
- 忙しさに押され、つい睡眠時間を削ってしまう…。そんな経験はありませんか?若いころから睡眠時間が十分にとれない生活を続けている方は、身体だけでなく脳の疲労も蓄積してしまっているかもしれません。
睡眠は脳を休めて修復させ、起きている間に取り込んだ情報の整理を行う唯一の時間です。この時間をおろそかにすると、脳の老化を早め、さまざまな病気につながる可能性があります。
覚醒している間、脳は常に働いている
- ◎活動に伴う情報の処理
- ◎体は動かさなければ休めるが脳は働き続けている
睡眠時のみ脳が休息・修復する
- ◎覚醒時に得た情報を整理する
- ◎傷ついた脳細胞を修復する
●快眠のポイント
忙しいときについ睡眠を削ってしまう人は…
睡眠の優先順位を上げるよう意識しましょう。「寝なければできる」という予定の立て方は避け、「睡眠はとるべきもの」と考えることが大切です。
夜、ぐっすり眠れない人は…
夜だけでなく、昼間の生活を見直してみましょう。体内時計は目から入る朝日によってリセットされるので、朝決まった時間に太陽光をしっかり浴びて脳を覚醒させるようにしましょう。
昼と夜のメリハリをつけると、入眠がスムーズにできるようになり、快眠につながります。
認知症
- 完治が難しい脳の病気
- かつては「痴呆症」と呼ばれ、老化に伴ってなんとなく起こるものという認識でしたが、近年では研究が進み、認知症は「脳の病気」であることが分かってきました。
同じ年齢を重ねても、認知症になる人とならない人がいるのです。その境界は、毎日の生活習慣の積み重ねによって左右され、睡眠もその要素の一つとされています。
認知症は加齢によって蓄積した異常たんぱく質が脳神経を傷つけることによって発症すると言われます。日頃から睡眠時間が短く、質の良い睡眠がとれていない人は、この壊れた箇所を修復する機会が得られず、認知症につながってしまう可能性があるのです。
将来の認知症予防のためにも、「まだ大丈夫」と思っている今から睡眠について見直すことが大切です。
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、普段の生活習慣が原因となる病気の総称です。
がん、糖尿病、脳卒中、心臓病など、その他多くの病気がこれに当てはまり、日本人の死因のうち6割を占めるほど。
特徴として、長い年月を経て症状が現れますが、発症までほとんど自覚症状がないという点があります。「生活習慣病」という言葉はあまりに一般的になってしまっているため、その危険性についての認識が薄れがちです。しかし近年では認知症の発症原因にも生活習慣病が大きく関わっていることなどがわかってきており、改めて早期からの予防・改善が重要視されています。
監修
にしかわ在宅クリニック
西川 泰章