気になる病気 生活習慣病その1
良くないことは分かっていても、なかなか改善できないのが生活習慣の乱れ。そのまま放っておくと生活習慣病につながってしまうかもしれません。
少しずつでも身近なことから見直せば、さまざまな病気のリスクを回避できます。
運動
- まずは身近なことから始めてみましょう!
- 「もともと運動が苦手」「高齢になって身体が思うように動かない」などの理由から嫌えんされがちですが、毎日の生活の中で身体を動かしているかどうかは、将来どれだけ健康な体を維持できるかを大きく左右します。激しい運動だけでなく、毎日のちょっとした体操からでも効果は出るもの。自分の体力や運動機能に合った運動を取り入れて、少しずつでも身体を動かす習慣をつけましょう。
肩の上下ストレッチ
●ストレッチ
肩甲骨を寄せるように肩を上げて、戻す。3秒以上かけてゆっくり行います。
固まった身体をほぐします。
首や手首、足首を回したり、肩をゆっくり上げ下げする、両手を開いて胸を反らすなど、座ったままでも行える簡単なものから始めてみましょう。
血流が良くなり、肩こりにも効果的です。反動をつけず、ゆっくり行うことがポイントです。
ステップ台を利用した足踏み運動
●有酸素運動
片脚ずつ乗り、片脚ずつ降ります。腕の振りを付けるとより全身運動に。
瞬発的で酸素を必要としない運動を「無酸素運動」というのに対し、継続的に酸素を取り入れながら行う運動を「有酸素運動」と言います。
屋外でできるウォーキングや屋内であればステップ台を使用した足踏み運動など。軽めの付加を筋肉にかけ続けることがポイントです。
動脈硬化
- 様々な生活習慣病を引き起こす疾患
- 動脈硬化とは、全身に血液を運ぶ役目である動脈の柔軟性が低下し、血液が流れにくくなる状態をいいます。肌にシミやしわができるのと同じように、加齢によって起こる、いわば「血管の老化」なのですが、これを促進させてしまう要因となるのが悪玉コレステロール(LDL)です。食生活の乱れなどによって血液中に過剰に増えた悪玉コレステロールは血管の壁に入り込み、血管の内側を狭くしてしまいます。動脈硬化が脳や心臓で起こると、組織に血液が行き届かなくなり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす危険性もあります。
予防のためには毎日の食生活の改善に加え、適度な運動も不可欠です。血液を循環させることで柔軟な血管を維持し、血管年齢を若々しく保つことが大切です。
動脈硬化を発生している血管
すでに動脈硬化を発症している場合、いきなり激しい運動を行うと心臓や血管に負担をかけてしまい危険です。少しずつ自分の身体と相談しながら、毎日の生活に取り入れるようにしましょう。
生活習慣病とは?
生活習慣病とは、普段の生活習慣が原因となる病気の総称です。
がん、糖尿病、脳卒中、心臓病など、その他多くの病気がこれに当てはまり、日本人の死因のうち6割を占めるほど。
特徴として、長い年月を経て症状が現れますが、発症までほとんど自覚症状がないという点があります。「生活習慣病」という言葉はあまりに一般的になってしまっているため、その危険性についての認識が薄れがちです。しかし近年では認知症の発症原因にも生活習慣病が大きく関わっていることなどがわかってきており、改めて早期からの予防・改善が重要視されています。
監修
にしかわ在宅クリニック
西川 泰章