人生100年時代 これからが本番 12のヒント

  • 監修:株式会社ソーシャルサービス

    今の生活の中で少しだけ工夫をする
    • 05

    • 100歳まで活躍!
      シニアのためのキャリア再設計ガイド

    人生100年時代を迎え、これからの働き方や生き方を見直す人が増えており、新たなキャリアに挑戦したいと考えている人も少なくありません。
    少子高齢化が進む中、生産年齢人口の減少は課題となっています。その一方で、高齢者の就業は年々増えています。総務省の統計によると、2025年時点で65歳以上の人口は3,622万人

    (※)

    に達し、総人口に占める割合は29.4%と過去最高を記録しました。また、2025年の65歳以上の就業者数も960万人

    (※)

    と過去最多となり、就業者全体の13.7%を占めています。

    (※)※令和8年版高齢社会白書

    100歳まで活躍!シニアのためのキャリア再設計ガイド

    これまでの人生では、仕事が生活の中心にあり、毎日が忙しく過ぎていったという方も多いはずです。定年を迎えたあと、「これからどう過ごそうか」と考える中で、自分らしさを活かせる仕事や生き方を選ぶ人が増えています。

    実際に仕事を離れると

    • 時間ができた
    • 自由になった
    • 何をしていいかわからない
    • 社会とのつながりが減った
    このような変化を感じることもあります。しかし、定年は「終わり」ではありません。むしろ、これからの働き方や生き方を自分で選べる新しいスタートです。働くことは、収入だけでなく、以下のようなことをもたらしてくれます。
    • 人とのつながり
    • 役割
    • 生きがい
    このコラムでは、人生後半を前向きに生きるための「自分らしい働き方」や社会との関わり方について、無理なく続けられるヒントをご紹介します。
  • 01なぜ「働くこと」が大切なのか
    「もう十分働いたから、これからはゆっくりしたい」。そう思うのは自然なことです。
    一方で、仕事をやめると、それまでの毎日決まった時間に起きて、朝食をとり、会社へ通勤し、同僚と会話をしながら働く……という生活リズムが大きく変わります。また、出勤する機会がなくなることで、外出が減り、人とコミュニケーションをとる機会も少なくなるため、社会とのつながりが薄れがちになります。そういった意味でも「働くこと」は、毎日の生活リズムをつくり、社会との接点を持ち、自分の役割を感じることができる、大切な機会です。

    内閣府の調査(※)では、シニアが働く理由として、「収入」だけでなく、「老化防止」や「自分の活力になる」「仲間を得ることができる」など、人生を豊かにする目的も多いことがわかっています。シニア世代が働くことで得られる経済的・社会的・健康面でのメリットは以下のようなことが挙げられます。

    ①経済的なメリット

    老後の生活の安定には、年金だけではと不安になる方も多いことでしょう。日本年金機構によると、2026年度の標準的な夫婦の年金額(老齢厚生年金と夫婦2人分の老齢基礎年金を含むモデル年金)

    (※1)

    は月額約24万円です。
    一方、総務省「家計調査」によると、高齢夫婦(無職世帯)の1か月あたりの消費支出

    (※2)

    は、月額約27万円となっています。生活費は各家庭の状況によって異なりますが、年金だけでは生活費を十分にまかなえないケースもあります。そのため無理のない範囲で働いて収入を補うことは、家計にゆとりをもたらすだけでなく、将来への安心感にもつながります。

    ※1:日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
    ※2:総務省 家計調査 最終結果 2025年(令和7年)平均

    夫婦2人でそれぞれ無理のない範囲で働けば、家計に少しゆとりが生まれ、毎日の暮らしの安心感もぐっと高まります。

    ②社会的なメリット

    長年仕事をしてきた方ほど、社会との接点が減ることは大きな不安に感じることでしょう。孤立を防ぎ、精神的な健康を保つ上で、社会とのつながりや活躍の場は重要になります。働くことは、単に収入を得るだけでなく、職場での顧客や同僚など、新しい人間関係を築き、社会の一員として貢献できる場を与えてくれます。また、さまざまな世代と交流することで新たな刺激を受け、自身の経験やスキルが感謝されることで得られる充足感は、孤立を防ぎ、心の健康をしっかりと支えてくれます。
    さまざまな世代と交流することで新たな刺激を受け、自身の経験やスキルが感謝されることで得られる充足感は、孤立を防ぎ、心の健康をしっかりと支えてくれます。

    ③健康面でのメリット

    「働くこと」は、健康維持にもつながります。
    例えば、決まった時間に起きて活動することで生活のリズムが整うほか、通勤などで体を動かす機会にもなります。さらに、誰かの役に立っていると感じることで、気持ちも前向きになり、やりがいにもつながります。また、収入を得ることで、自分のやりたいことや楽しみも広がっていきます。仕事を通じて心身ともに活力を維持できることは、健康寿命の延伸にも寄与し、充実した日々を送るための大きな支えとなるでしょう。
    仕事を通じて心身ともに活力を維持できることは、健康寿命の延伸にも寄与し、充実した日々を送るための大きな支えとなるに違いありません。
  • 02キャリアを「見直す」という考え方
    これからの働き方は、これまでの延長線上として考えるのではなく、むしろ大切なのは、「自分に合った価値観を整理し見直すこと」です。そのために意識したいのが、以下の3つの視点です。

    ①肩書きではなく役割として考える

    役職や地位は会社や組織の中での立場にすぎません。「誰かの役に立つ」「現場を支える」といった役割に目を向けると、働き方の可能性は大きく広がります。セカンドキャリアでは、肩書きではなく「自分がどのような役割を果たせるか」という視点で捉え直すことが重要です。一方で、長年の仕事や社会経験を通じて培った責任感や臨機応変な対応力は、環境が変わっても活かせる強みになるでしょう。
    肩書きではなく役割として考える

    ②充実感を重視する

    収入の大小だけを基準に働き方を選ぶのではなく、充実感を重視する視点も大切です。これまでは、家族や生活を支えるために、安定した収入を優先してきた方も多いことでしょう。しかし、次のステージでは、やりがいや社会とのつながり、誰かの役に立つという要素が、働く意味をより深く支え、大きな充実感につながるとともに、日々の満足度や幸福感のアップをもたらしてくれます。
    充実感を重視する

    ③自分に合った働き方を選ぶ

    セカンドキャリアでは、体力やライフスタイル、家族との時間などのバランスを踏まえ、自分に合った働き方を主体的に選ぶことが重要です。出勤日数や労働時間、役割の重さを調整しながら、無理なく社会とつながり続けることが可能となります。

    このような視点で、自分のキャリアを考え直すことで、これからの生活の質を高めてくれることでしょう。
    自分に合った働き方を選ぶ
  • 03シニア世代の働き方の選択肢
    シニアが働き続ける上で大切なのは、自分の健康状態やライフスタイルに合った仕事を選ぶことです。年齢や体力、生活スタイルに合わせた働き方を選ぶことで、無理なく長く続けられます。現在は、さまざまな働き方が選べる時代です。ここでは、無理なく続けられる働き方の例をご紹介します。

    企業・会社に所属して働く

    ①フルタイム勤務(正社員)

    体力や健康に自信があれば、安定した収入を得ることができます。
    [例]工場勤務、警備員、施設管理者、マンション管理人など
    フルタイム勤務(正社員)

    ②短時間勤務(正社員)

    企業や職種によっては、正社員で週に数回や時間短縮などの短時間勤務も可能です。
    [例]経理事務、医療事務、接客業、講師など
    短時間勤務(正社員)

    ③短時間の仕事(パート・アルバイト)

    正社員にこだわらず、週に数日・数時間など、無理なく働きたい方におすすめです。体力的な負担を抑えながら、社会とのつながりを持つことができます。
    [例]清掃業、販売スタッフ、事務補助、軽作業など
    短時間の仕事(パート・アルバイト)

    経験や趣味を活かして働く

    ①専門知識やキャリアを活かして働く仕事

    長年の仕事で培った経験は大きな財産です。これまでのキャリアやスキルを活かせる仕事なら、無理なく働けます。「教える」「支える」立場での活躍もあります。
    [例]講師、相談役、指導役、管理業務など
    専門知識やキャリアを活かして働く仕事

    ②得意分野や趣味を活かして働く

    長年続けてきた趣味や得意なことがあれば、これまでのキャリアやスキルを人に伝える活動も、1つの働き方になります。
    [例]教室を開く、作品を販売する、イベントに参加する
    得意分野や趣味を活かして働く

    地域・社会で活動する

    ①地域活動・ボランティア・社会貢献

    地域の中にも、活躍の場は多くあります。収入を目的とせず、「社会と関わりたい」「役に立っている」と実感できる活動です。無理のない範囲で参加できるのも魅力です。
    [例]自治会、見守り活動、傾聴ボランティア、NPO活動、地域活動支援など
    地域活動・ボランティア・社会貢献
  • 04「何ができるか」より「何をしたいか」

    仕事を探すにあたり、つい「自分に何ができるか」と考えてしまいがちです。もちろんそれも大切なことですが、これからの働き方では、「何をしたいか」「何歳まで働くのか」という自分自身のキャリアにおけるゴールイメージを明確にする視点も同じくらい重要です。

    例えば

    • 人と関わり続けたい
    • 元気なうちは体を動かしたい
    • 自分のペースで働きたい
    こうした自分の気持ちを大切にすることで、無理なく続けられる働き方が見えてきます。また、人生後半の働き方で最も大切なのは、「続けられること」です。

    そのためには

    • 頑張りすぎない
    • 体調を優先する
    • 無理な責任を負わない
    ことが重要です。「少し物足りない」くらいが、長く続くコツです。
    「何ができるか」より「何をしたいか」
  • 05「役割」があることの大切さ
    「役割」とは、個人に割り振られた職務や責任を指します。「自分の役割を果たす」といった表現をすることからも、その人に期待される行動や成果を明らかにするものです。人は、自分の「役割」があることで責任感が生まれ、仕事に対する目標意識も高まります。また、「役割」を持つことで、
    • 自分は必要とされている
    • 自分の存在に意味がある
    • 他人に感謝される
    など、日々の生活の中で生きがいやハリが生まれます。こうした経験は、日々の充実感につながります。働くことは、その「役割」を持つ一つの手段です。
  • 06人生後半は「自分で選べる時間」
    これまでの人生では、どうしても仕事が生活の中心となり、選べなかったことも多かったかもしれません。

    しかしこれからは

    • どこで
    • 誰と
    • どのように関わるか
    などを、自分で選ぶことができます。それは、とても大きな自由です。いきなり仕事を始める必要はありません。
    • 誰かに相談する
    • 情報を収集する
    • 見学に行く
    まずは、こうした小さな行動から始めましょう。その一歩が、次の行動につながります。人生100年時代だからこそ、これからの時間は「まだある時間」ではなく、「活かすことができる時間」です。働くことは、その一つの選択肢です。頑張りすぎず、無理をせず、自分のペースで関わること。それが、活躍し続けるためのポイントです。

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