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認知症には種類がある 4大認知症について

認知症には種類がある 4大認知症について

「認知症」というと一括りで考えられがちですが、その発症原因や症状、症状に対する対応方法はさまざまです。しかし近年までの研究によって、それらにはいくつかの傾向があることが分かってきました。認知症全体の約9割を、大きく分けて次の4種類に分類することができ、これらは「4大認知症*」と呼ばれています。

《4大認知症》

  • ●アルツハイマー型認知症

  • ●前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症(前頭側頭葉変性症のひとつ)

  • ●レビー小体型認知症

  • ●脳血管性認知症

  • *分類の方法によっては3大認知症と表現される場合もあります

  • *これらは代表的な4つであり、その他にも認知症には様々な疾患があります

脳の異常箇所と認知症の関係

認知症は「脳の病気」です。これら4つの認知症も、脳に異常が起こることによって発症します。また、異常が起きた部分と、現れる症状には深い関連性があるとされています。

■アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症頭頂葉(とうちょうよう):位置や空間を把握する 海馬:記憶を司る/大脳辺縁系(脳の奥)の一部

異常が起こりやすい箇所:海馬、頭頂葉を含む後方領域

  • ●記憶を司る海馬(かいば)を中心に、頭頂葉(とうちょうよう)まで。広範囲で脳が萎縮することによって起こります。

  • ●主に記憶障害や見当識(日付や時間、場所などを認識する機能)障害、判断力の低下などの症状が現れます。

■前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症

前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症 前頭葉:理解、感性などの人格や判断、計画、実行、振り返る機能を司る/側頭葉:言葉の理解。耳からの情報を処理する。

異常が起こりやすい箇所:前頭葉、側頭葉

  • ●人格を司る前頭葉(ぜんとうよう)と、言語を司る側頭葉(そくとうよう)が萎縮することによって起こります。

  • ●判断して行動するという手順を踏むことが難しくなり、思いのままに行動しようとする、同じパターンの行動をとる、言葉の理解ができなくなる、などの症状が現れます。

■レビー小体型認知症

レビー小体型認知症 後頭葉(こうとうよう):資格を司る。見たものを認識、処理する

異常が起こりやすい箇所:海馬、後頭葉

  • ●視覚を司る後頭葉(こうとうよう)から脳の広範囲に情報伝達が上手くいかないことによって起こります。

  • ●初期症状に幻視を訴えることが多く、睡眠障害が初発症状となることが多い。

  • ●覚醒があがったり下がったりします。また、注意がそれてしまうことがよくあります。

■脳血管性認知症

脳血管性認知症 脳血管:脳内全体におよぶ血管

異常が起こりやすい箇所:脳血管(全体)

  • ●脳梗塞や脳出血など、脳内の血管に異常が起こることによって起こります。

  • ●脳梗塞を多発した方が発症するケースが最も多く、脳血管障害の大きさが認知症の程度と関係してきます。

  • ※脳血管性認知症は、脳血管の異常によって起こる認知症の総称です。

監修:大阪公立大学 リハビリテーション学研究科
教授 横井 賀津志

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