ホーム>介護のお役立ち情報>暮らしと健康ライブラリ>重症になる危険も?!「床ずれ」の原因と症状

重症になる危険も?!「床ずれ」の原因と症状

重症になる危険も?!「床ずれ」の原因と症状

高齢者がかかりやすい病気のなかには、歩行障害や認知症など、さまざまなものがありますが、寝たきりなどによって起こる「床ずれ」も気になります。「床ずれなんて、少し痛くなる程度」と軽く見ないでください。床ずれになると、最初は軽いかゆみや痛み程度ですが、対応を誤ると痛みがどんどん酷くなり、皮膚が壊死したり、場合によっては傷口から感染して命に関わることもあります。きちんと対処するために、床ずれの原因や症状についてご紹介します。

床ずれとは?

ズレ・摩擦による体圧の集中

寝たきりなどで、ベッドで同じ姿勢でいると、身体の一部分に長く体圧(圧力)がかかります。そうすると皮膚と骨の間の組織に障害が起こって血流が悪くなり、十分な酸素や栄養が行き届かなくなります。この状態を「床ずれ」といいます。専門的には「褥瘡(じょくそう)」と呼びます。「褥(しとね)」は布団や敷物、「瘡」は傷を意味します。寝たきりに限らず、車いすで長時間同じ姿勢でいる人にも発生します。

床ずれの症状

床ずれの最初の症状は、皮膚に痛み、赤みやただれが起こり、水ぶくれや内出血が見られるようになります。症状が重くなると、皮膚だけでなく皮下組織や筋肉・骨にまで達し、さらに傷口から血液中に入って高熱や意識障害を起こす敗血症になることもあります。この傷が原因で、全身に感染が広がる可能性もあるのです。

■床ずれが進む経過

床ずれが進む経過

床ずれが進む経過

皮膚は表面から表皮、真皮と層になっており、その下に皮下脂肪、筋肉、骨があります。床ずれは表面から深い部分まで進行していきます。

皮膚は表面から表皮、真皮と層になっており、その下に皮下脂肪、筋肉、骨があります。床ずれは表面から深い部分まで進行していきます。

▼第1段階

皮膚の表面に、赤みや痛みが出てきます。見た目には傷はないものの、皮膚が硬くなったり熱を覚えることもあります。指で赤くなっている部分を数秒間押して、離したときに赤い状態であれば床ずれの可能性がありますが、白く戻ると床ずれではありません。

▼第2段階

傷が皮膚の下の真皮まで達すると、ただれや水ぶくれや分泌物が現れます。

▼第3段階

傷が皮下脂肪にまで達し、膿が溜まることがあります。細菌が入り感染を起こす場合もあります。

▼第4段階

筋肉や骨、神経組織まで達し、深い潰瘍ができて強い痛みが起きます。
しかし最近では皮膚表面の損傷がなくとも深部ですでに損傷が起こっていることがあるという考え方から,deep tissue injury(DTI)「深部損傷褥瘡疑い(深さ不明)」という病態が追加されました。

参考:褥瘡学会用語集 | 日本褥瘡学会 (jspu.org)

参考:ナース専科NPUAP分類|褥瘡の重症度分類 | ナース専科 (nurse-senka.jp)

【NPUAP 分類】
NPUAP pressure ulcer staging system

褥瘡の深達度を表す分類の一つであり, 米国褥瘡諮問委員会( National Pressure Ulcer Advisory Panel ; NPUAP)が1989 年に提唱したステージングシステムである。 従来はステージI,II,III,IVに分類されてきた。 しかし,近年は皮膚表面の損傷がなくとも深部ですでに損傷が起こっていることがあるという考え方から,deep tissue injury(DTI)という病態が追加された。 これらのことから,2007 年のNPUAP新分類では「深部損傷褥瘡疑い」((suspected)deep tissue injury),ステージI,II,III,IV, さらに褥瘡の深達度IIIかIVか判断できない場合の「判定不能」(Unstageable)の6病期とした。

床ずれが起こりやすい箇所

床ずれが起きやすいのは、骨が出っ張っている部分です。姿勢によって起こりやすいところが変わってきます。また、これらの部位の皮膚の変化にも注意しましょう。

1.仰向けで寝ている姿勢(仰臥位)

仰向けで寝ている姿勢(仰臥位)のイラスト

仰向けで寝ている姿勢(仰臥位)のイラスト

仰向けで寝ている場合は、臀部(お尻)のすぐ上の仙骨の部分や、足のかかとに床ずれが起きやすくなります。また、背骨に沿ったところや肩甲骨、後頭部にも起きることがあります。

2.横向きで寝ている状態(側臥位)

横向きで寝ている状態(側臥位(そくがい))のイラスト

横向きで寝ている状態(側臥位(そくがい))のイラスト

横向きの姿勢で寝ていると、足の付け根の周辺の腸骨部(おへその下の部分)や大転子部(太ももの側面)などに床ずれが起こります。また、足のくるぶしや膝関節、肘や肩、耳なども発生しやすくなります。

3.車いすの場合

車いすなどに長時間、座っている場合は、座骨や尾骨、背骨に床ずれが起きます。また、肘置きにふれる肘関節なども発生しやすい部分です。

参考サイト:
一般社団法人 日本褥瘡学会
http://www.jspu.org/jpn/patient/about.html

監修:高齢者生活福祉研究所
理学療法士 所長 加島 守

「参考になった!」
と思ったら共有しよう☆彡

その他の読み物一覧

登録無料 メルマガ登録で 介護の知識/介護用品/脳トレ・運動など 介護に役立つ情報をゲット! 無料会員登録はこちら

気になる言葉で記事を検索気になる言葉で記事を検索
今月よく読まれている記事今月よく読まれている記事
    タグ一覧タグ一覧

      登録無料 メルマガ登録で 介護の知識/介護用品/脳トレ・運動など 介護に役立つ情報をゲット! 無料会員登録はこちら

      介護のお役立ち情報
      • おでかけに便利なアイテム特集
      • 介護のお役立ち情報
      • 役立つコラムを連載中!暮らしと健康ライブラリ
      • 介護初心者必読!介護のいろは
      • 疾患別福祉用具の使い方
      • お悩みに応える介護用品のご紹介
      • 脳のトレーニングにチャレンジ
      • ながら運動
      • ヘルスレント通信
      • ケアマネジャーさんへの最新情報
      • 動画ムービー
      メルマガ
      • 会員登録
      • ログイン

      このページのトップへ