今からすぐに始めたい脳卒中の予防法
脳卒中は、脳の血管が破れたり、詰まったりして、脳に障害を受ける病気です。身体の一部が動かなくなったり、言葉が出なくなったり、重症になれば死に至ることもあります。脳卒中は、動脈硬化や心臓病が原因になることが多く、高齢になるほど増加する傾向があります。また、近親者に脳卒中患者がいる場合も注意が必要です。脳卒中を発症すると元の健康な状態には戻らないため、日頃から生活習慣に注意しましょう。ここでは、予防のポイントを紹介します。
脳卒中予防十か条
日本脳卒中協会では、脳卒中予防のために、次の十か条を定め、広くPRしています。
- 1. 手始めに 高血圧から 治しましょう
- 2. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
- 3. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
- 4. 予防には たばこを止める 意志を持て
- 5. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
- 6. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
- 7. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
- 8. 体力に 合った運動 続けよう
- 9. 万病の 引き金になる 太りすぎ
- 10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ
脳卒中を予防する食生活のポイント1
予防十か条の中で、特に重要な食生活のポイントについて紹介します。
■食塩は控えめに
高血圧は脳卒中の原因になります。食塩は男性1日8g・女性7g未満を目標に、薄味に調理しましょう。
薄味で調理して、おいしくなる工夫
薄味で調理して、おいしくなる工夫
- ●昆布やかつおぶしなどでだしを取ると、薄味でも風味豊かになります。また、新鮮な食材なら、薄味でも素材の味を生かせます。
- ●漬け物は浅漬けか、塩出ししたものにして、汁物は野菜など具の多いものにしましょう。麺類の汁は全部飲みほさずに残しましょう。
- ●薄味の料理でも、食べすぎると塩分量が多くなります。食べすぎないように気をつけましょう。
- ●調味料は、できるだけ減塩しょうゆや減塩みそを使いましょう。また、しょう油やソースは「かけるより、つけて食べる方」が塩分が少なくてすみます。また、レモンやスダチ、カボスなどの柑橘類や、酢などの酸味、トウガラシやコショウ、カレー粉といった香辛料を使って味に変化をつけると塩分を減らすことができます。
- ●かまぼこ、はんぺん、薩摩揚げなどの練りものや、ハムやベーコンといった肉の加工食品も塩分を多く含んでいるので気をつけましょう。
■野菜、果物、海藻を十分に取る
野菜や果物、海藻には、食物繊維やビタミン、ミネラルを豊富に含み、便通を整える効果があります。また、野菜などに含まれるカリウムは、余分なナトリウムを体外に排出する働きを持っています。
カボチャ、ニラ、トマト、ピーマン、コマツナ、シソ、パセリ、ブロッコリー、抹茶などには、ビタミンCやE、β‐カロテンが豊富に含まれています。これらの食品には、血管を傷つけ血圧の上昇を引き起こす効果がある酸化作用を抑えるといわれています。
ヘルスレント関連コラムリンク
参考サイト:
e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-002.html
監修:医師 西川 泰章