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ホーム> ケアマネジャーさんへの最新情報> ケアマネジャーさんの知恵袋 日々のケアを彩るヒント> 【Vol.11】介護の悩みに寄り添う相談サービス
監修:看護師・主任介護支援専門員
雨師 みよ子
「介護のことについて誰かに相談したいけど、誰に相談したらいいかわからない?」という方も多いのではないでしょうか。介護における悩みや不安は、高齢者本人だけでなく家族はもちろん、ケアマネジャーにとってもごく日常的に発生するものです。これらの課題に対応するために、介護保険外のさまざまな相談サービスがあります。電話相談をはじめ、市民相談やピアサポートなど、相談内容により幅広い相談窓口の役割とその利用方法をご紹介します。
※ピアサポートとは?
ピアサポートとは、「ピア(仲間)」同士が支え合い、支援し合い助け合う活動を指します。同じ状況にいる人だからこそ共感できる経験や感情を分かち合い支援し相互に支え合いながら、前向きな気持ちになれる点が特徴です。
電話相談サービスは、さまざまな介護中の疑問や不安を気軽に相談できる便利な窓口です。特に、時間や場所にとらわれずに利用できるため、多忙な日常の中で大きな助けになります。急なトラブルや問題解決のために、迅速かつ専門的なアドバイスを受けられるのが特徴です。また、「自分の個人情報はなるべく教えたくない」という方でも、基本的には匿名で相談することが可能です。
■主なサービス内容
[1]24時間対応の相談窓口
夜間や休日でも利用可能なサービスがあり、急なトラブルにも迅速に対応してくれます。
例):介護の現場で転倒事故が起きた際の対応方法や、深夜の介護で感じるストレスへのアドバイスなど
[2]専門的な相談窓口
認知症や障がい者ケアなど、特定分野に特化した窓口があり、専門知識を持つスタッフが対応してくれます。時間帯が決まっている場合があります。例): 認知症の初期症状に気づいた際、具体的なケア方法や医療機関の紹介を提案してくれる
■具体例
[1]高齢者サポートダイヤル(地域によって名称等は異なります)
地域ごとに設置され、福祉制度や介護保険の活用方法など、幅広い質問に答えてくれる窓口です。高齢者の生活支援についても相談可能です。
[2]認知症サポートセンター(地域によって名称等は異なります)
認知症に関する知識や認知症の進行状況や症状に応じた具体的な対応策のほか、介護のグチや悩みなども気軽に相談できます。また、研修を受けた介護経験者が具体的な知識や介護の仕方をアドバイスしてくれる、認知症の人と家族の会等があります。
■利用方法
[1]地域包括支援センターや地域の福祉課に問い合わせる
自治体の窓口では、地域で利用可能な電話相談サービスを案内してもらえます。具体的な連絡先や利用方法を確認できます。
[2]インターネットでの検索
「介護 電話相談 地域名」などのキーワードで検索すると、近隣で利用可能なサービスを見つけやすくなります。
■メリット
●迅速に的確なアドバイスを得られる
急なトラブルや問題にも即座に対応してくれるため、安心感を得られます。
●専門知識を提供してもらえる
分野に特化した窓口を利用することで、具体的かつ実践的な助言を受けることができます。
●通話料のみで利用できる
多くの相談サービスが無料で提供されているため、通話料のみで気軽に利用できます。
電話相談サービスは、介護者が抱える不安やストレスを軽減してくれる強力なサポートツールです。一人で悩みを抱え込まず、適切な相談窓口を見つけることで、日々の介護をよりスムーズに行うことができます。
市民相談は、地域住民が手軽に利用できる相談窓口で、その地域特有の課題に対応することができる身近なサービスです。介護に関する問題だけでなく、金銭、相続等の生活全般に関する悩みを幅広くサポートします。
■主なサービス内容
[1]地域のNPO法人などによる相談支援
地域のボランティアが運営する窓口では、介護だけでなく、日常生活に関する悩みや困りごとについても相談できます。
例):高齢者の買い物や日常的な家事に関する支援方法のアドバイスなど
[2]行政が提供する市民相談
地域包括支援センターや市区町村など、自治体の運営する窓口では、介護保険外サービスの利用方法をはじめ、福祉制度の申請手続きについても相談可能です。
例):介護保険外の訪問サービスの利用方法や、地域の福祉サービスに関する案内など
■具体例
[1]地域サポートセンター(地域によって名称等は異なります)
地域住民が利用しやすい場所に設置されており、介護の悩みや高齢者の生活支援について幅広く対応します。たとえば、日常的なトラブルへの対応方法や、相談者の状況に応じた具体的な提案を受けることができます。
[2]福祉相談窓口(地域によって名称等は異なります)
地域包括支援センターと連携し、福祉サービスや高齢者支援に関する情報提供を行っています。相談者のニーズに応じて、適切なサービスを紹介してくれます。
■利用方法
[1]地域包括支援センターに連絡する
近隣で利用可能な市民相談窓口やボランティア団体を紹介してくれます。また、必要な手続きや連絡先についての案内も行なっています。
[2]市区町村役場や公民館等で情報を確認する
地域の役場や公民館には、利用可能な相談窓口の案内が掲示されていることが多いです。
[3]インターネットで調べる
地域名と「市民相談」や「福祉相談」を検索することで、窓口の詳細な情報を確認することができます。
■メリット
●地域特有の状況に応じた課題に対応できる
地域密着型のため、住民のニーズに沿った具体的な支援が受けられます。
●ワンストップでのサポートを受けられる
福祉や生活支援、介護に関する情報を一箇所でまとめて得られるので、相談者にとって利用が簡単です。
地域密着型の市民相談窓口は、介護者や高齢者にとって頼りになるサポートです。介護・福祉・健康・医療など、さまざまな方面から総合的に支えるために専門家である保健師や看護師、社会福祉士、ケアマネジャーなどが問題に応じて、適切なサービス・機関・制度の利用、身体状況にあった住環境の整備、介護用品の洗濯等へとつなげてくれます。相談サービスを積極的に利用することで、地域全体で支え合うケアを実践しています。
ピアサポート(※)は、同じ立場や経験を持つ人々が集まり、支え合う場です。介護においては、家族や介護者が交流し、気持ちを共有したり、悩みを相談したりすることで、大きな安心感と実践的なアドバイスを得られる重要な活動です。介護におけるピアサポートでは、以下のような交流の場が提供されています。
●介護の悩みやストレスを共有し、心の負担を軽減する。
●他の家族や介護者の成功事例や失敗談から新しい発見や解決策を得る。
●孤独感を軽減し、共感や励ましを受け取る。
■主なサービス内容
家族同士の交流会
介護を経験した家族が集まり、ケアの工夫や問題解決のヒントを話し合う場です。直接顔を合わせることで信頼関係を築き、心の支えを得ることができます。
■具体例
[1]介護者サポートグループ
地域の福祉団体やNPOが主催する対面形式の交流会。例えば、「認知症の家族を持つ方の交流会」では、日常の困りごとや感情を共有し、具体的な支援策について意見交換を行います。
[2]オンラインピアサポート
ZoomやFacebookグループ、専用アプリなどを活用し、自宅にいながら全国の介護者とつながる場を提供しており、情報交換や相談が気軽に行えます。ピアサポートに特化したオンラインサポートアプリ等の活用もありますが確認が必要です。
■利用方法
[1]地域包括支援センターや地域の福祉課
地域のピアサポート活動についての案内を受けることができます。特定のニーズに合った活動を紹介してもらえるため、まずは電話や訪問で問い合わせるとよいでしょう。
[2]オンライン検索
「介護 ピアサポート 地域名」で検索することで、実施団体や活動内容のほか、参加方法などを見つけることができます。
■メリット
●共感による心の支えになる
同じ経験を持つ仲間の言葉は、専門家の助言以上に心に響くことがあります。
●新しい解決策やヒントを受け取る
他の家族や介護者の体験談から、実践的なアイデアやヒントを得ることができます。
●孤独感を軽減する
一人で抱え込む状況を脱し、仲間とのつながりを感じられるようになります。
■ピアサポートで得られるもの
ピアサポートは、情報やアドバイスを得るだけでなく、心の安定や前向きな気持ちを育む場でもあります。介護者同士が互いを励まし合い、共に成長していける関係性が、介護の現場で大きな支えとなるでしょう。積極的に活用して、心と実務の両面での安心感を高めましょう。
地域の相談サービスは、高齢者やその家族の生活を支える重要な仕組みの一部です。今後、社会の変化やデジタル技術の進化によって、さらに多様な形での展開が期待されています。以下に、その具体的な可能性について紹介します。
① デジタル技術と融合した相談サービス
デジタル技術の進化により、ロボットやAI(人工知能)の活用が期待されており、相談サービスにおいてもより窓口等に足を運ぶことなく相談が可能になるなど、より利便性が高まることが予想されます。
■AIチャットボット
自然な会話形式で高齢者の疑問や悩みに対応するAIチャットボットの導入が予想されています。ご利用者さまは、簡単な質問を入力するだけで適切なアドバイスを得られるようになるとともに、24時間対応が可能となるため、急な相談にも迅速に対応できるようになります。
■音声認識技術の活用
高齢者がテキスト入力に不慣れな場合、音声での質問や相談ができる仕組みが役に立ちます。例えば、スマートスピーカーを介して相談窓口とつながることで、簡単に適切なアドバイスを受け取ることが可能になります。
② 多文化共生のための相談窓口
外国籍の高齢者や介護者の増加に伴い、多言語対応の相談窓口の必要性が高まっており、地域の多様性を反映したサポート体制の整備が期待されています。
■多言語チャットサービス
翻訳機能を備えたオンラインチャット等の利用が可能になれば、日本語が不自由なご利用者さまでも気軽に相談ができるようになります。例えば、英語や中国語など、ご利用者さまのさまざまな言語に対応し、主要言語への対応が進むことで、その人の状況がより理解できるようになります。
■地域の外国籍コミュニティとの連携
地域に住む外国籍の方を対象に、生活や介護に関する情報を共有する交流の場を設け、外国籍の方が抱える生活上の悩みやさまざまな課題を拾い上げ、適切な制度利用や文化の違いに基づいた具体的なサポートを行います。
③ 地域見守りネットワークとの連携
相談サービスが地域全体の見守りネットワークと連携されることで、迅速かつ適切な対応が可能になります。
■相談内容の共有
相談内容が緊急を要する場合、見守りネットワークを通じて地域の支援者に情報が即時共有される仕組みが期待されています。例えば、高齢者の体調不良に関する相談があれば、地域の医療チームやボランティアに迅速に連絡が取られる仕組みです。個別状況に合わせた適切な対応とモニタリングの実施が必要になる場合があります。
■地域リソースの活用
地域住民やNPOが連携して相談サービスを支える体制が整うことで、ご利用者さまのニーズに応じた柔軟な対応が可能となり、相談内容に適した地域リソースの活用や課題に対する解決策を速やかに提供できるようになります。
地域における相談サービスは、デジタル技術や地域の力を組み合わせることで、より多くの高齢者や家族を支える存在へと進化していく可能性を秘めており、地域全体での安心感を向上させるとともに、誰もが暮らしやすい社会の実現につなげることが期待されています。