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ホーム> ケアマネジャーさんへの最新情報> ケアマネジャーさんの知恵袋 日々のケアを彩るヒント> 【Vol.9】心をほぐす、精神的ケアの時間
監修:看護師・主任介護支援専門員
雨師 みよ子
高齢者の心の変化は、加齢による身体機能の変化や環境、これまでにしてきた経験など、さまざまな要因によってもたらされます。精神的なケアは、生活の質を高め、孤独感や不安感を和らげるためにも必要不可欠です。地域社会で行われる話し相手のサービスや、傾聴ボランティア、高齢者向けのサロンやイベントなどは、社会的なつながりを強化し、心の安定をサポートしています。このコラムでは、高齢者の心の健康を支えるために、地域で提供されているさまざまなインフォーマルサービスと、高齢者が日常生活でどのようにこれらのサービスを利用できるかについて、具体的な事例を挙げながら紹介していきます。
高齢者は、身体的機能の低下による制約や、社会とのつながりが薄れることで孤立を感じやすくなります。そこで、重要な役割を果たすのが「話し相手」や「傾聴ボランティア」などです。定期的に訪問し、話に耳を傾けることで、ご利用者さまの孤独感や不安を軽減し、心のリフレッシュを図ることができます。
■具体的な活動内容
例えば、「話し相手がいない」「ひとりぼっちで寂しい」「悩みを抱えている」「不安で誰かに話を聞いてもらいたい」といった方に対して、月に1回や週に1回など、定期的にボランティアが高齢者の自宅はもちろん、地域の福祉施設や集会所を訪問し、ご利用者さまの話をじっくりと聴く時間を持ちます。会話の内容は日常の出来事をはじめ、健康の不安や過去の思い出など多岐にわたります。特に、傾聴ボランティアは、相手の話に丁寧に熱心に「聴き」、相手の話を否定せず、肯定・共感しながら、相手の心に寄り添うことが大切です。ご利用者さまは、話を聴いてもらうことで信頼関係を築くことができ、心がスッキリしたり、自分の考えや気持ちに整理をつけることができるなど、自己表現ができる安心感を得られ、話すことで心が軽くなり精神的な安定を感じることができます。
■どこに相談すればいい?
話し相手や傾聴ボランティアに関する情報は、地域の社会福祉協議会や地域包括支援センターに連絡することで得ることができます。また、地域のNPOやボランティア団体、一般社団法人などがこうした活動を運営していることも多く、直接問い合わせることで、活動内容や活動日時などがわかり、具体的なサービスを紹介してもらうことができます。
高齢者にとって、社会参加が困難になったり閉じこもりがちになり、住み慣れた地域で社会的な交流の場を持つことは、心の健康維持にとってとても重要です。例えば、近所付き合いの増加は、閉じこもりの回避にもつながりますし、グループ活動への参加は、普段の生活への充実感を得るだけでなく、新しい友人を得るきっかけにもなります。
地域で定期的に開催される高齢者サロンやイベントへの参加は、社会との接点を持つ機会となり、自分の役割や楽しさ、生きがいを見出すことにもつながるとともに、孤立感を大きく減らしてくれることでしょう。趣味や共通の話題を持つ他の住民との交流を通じて、より自然な形での心のケアにもつながっていきます。
■具体的な活動内容
地域のサロンやイベントでは、カフェ形式で自由に会話を楽しんだり、趣味の時間(手芸や音楽、体操、園芸、囲碁将棋など)に参加したりできます。例えば、手芸サロンでは、参加者が一緒に手作業をしながらおしゃべりを楽しむことで、交流が深まり、心のリフレッシュ効果が得られます。また、地域で行われる季節のイベントや、レクリエーション、お祭りも、参加者にとって地域の人たちとふれあう良い機会になり、社会とのつながりを感じる大切な場となります。
■高齢者サロンの活動例
■どこに相談すればいい?
地域の公民館や社会福祉協議会、自治体の広報誌などで、定期的に開催されるサロンやイベントの情報を得ることができます。また、地域包括支援センターや地元の自治会に問い合わせることで、参加できるプログラムの詳細を確認することができます。
身体機能の低下や疾患などにより外出が難しい高齢者にとっては、自宅での過ごし方がメンタルヘルスを大きく左右します。社会的なつながりを維持するためにも、定期的に地域の支援サービスを受けながら、自宅で心のケアを行うことも重要になってきます。在宅で受けられる支援サービスには、見守り訪問サービスやオンラインを利用したサロンや学びの場などがあり、地域の人との交流を保つことができます。
■具体的な支援例
例えば、子ども夫婦が遠方に暮らしている高齢者や、一人暮らしの高齢者、障がいのある方などに対して、地域のボランティアやNPO、郵便局、新聞配達員などが定期的にご利用者さまの自宅を訪問する「見守り訪問サービス」では、安否確認をはじめ、簡単な会話や必要に応じた軽い支援を行っています。また、近年ではパソコンやタブレット端末などを利用した「オンラインサロン」も増えており、外出が難しい方でも自宅に居ながら他の人々と会話を楽しんだり、自分発信をしたりして交流することで社会的なつながりを維持できます。そのほかにも、英会話教室や生涯学習など、オンラインを利用した趣味や学びを対象としたサービスなどもあり、孤独になりがちな高齢者やシニア世代にとって、新たな交流の場となっています。
■オンラインサロン・サービスの例
■どこに相談すればいい?
在宅での見守りサービスやオンライン支援に関する情報は、地域包括支援センターや社会福祉協議会、各市町村の福祉課などに問い合わせて得ることができます。また、地域のNPOやボランティア団体、民間企業が提供するサービスに関しては、直接問い合わせることで、利用可能なプログラムを確認することができます。
*サービスには、価格設定等さまざまですので確認しておきましょう。
高齢期を充実したものにするためには、まずは心身の健康が前提となります。心の健康を保つためにも、普段からストレスや不安などを溜め込まないようにするとともに、無理なく続けることのできる小さな習慣を日々に取り入れることで、心のケアが習慣化し、心の安定とリラックスをもたらしてくれます。以下に、その具体的な方法をいくつか紹介します。
心身のリフレッシュには、毎朝の軽いストレッチと深呼吸が効果的です。寝ている間に関節は凝り固まっているので、朝一番に体を動かすことで血行が促進され、気分がすっきりしやすくなります。特に、首や肩、腰などをほぐすと、体の緊張が和らぎ、心も軽くなることでしょう。また、深呼吸を加えると、副交感神経が活性化し、リラックス状態を作り出してくれます。毎日数分程度の深呼吸を習慣化することで、1日を前向きに始めるきっかけづくりになります。
感情を言葉で表現することは、ストレスの解消や気持ちの安定をもたらしてくれます。例えば、日記をつけると、感情の整理ができることで、問題を客観的に捉えることが可能となるとともに、自分の考えや感情など、自己認識を高めることにもつながります。感謝の気持ちを書き出す「感謝日記」も効果的で、ポジティブな心の状態を保つ助けになります。日常の小さな喜びを見つけ、感謝することで、心に穏やかさが広がります。
趣味に没頭する時間は、精神的なリフレッシュにつながります。手芸や音楽鑑賞など、クリエイティブな活動に集中することで、日常の悩みを忘れ、リラックスできる瞬間を得ることができます。趣味を持つことで自己表現が可能になり、達成感や満足感が得られるため、心が安定します。また、完成した作品を眺めることで、次の活動へのモチベーションが高まります。
自然と触れ合うことも、心のケアに効果的です。散歩やガーデニングを定期的に行うことで、心がリフレッシュされ、ストレスが軽減されます。森林浴や公園でのウォーキングは、心身の疲れを和らげ、リラックス効果が期待できます。自然の音や香りを感じる時間を日常に取り入れることで、精神的なバランスを整えることができます。
在宅での心のケアには、ペットを飼うことも大きな効果をもたらします。特に犬や猫といった動物とのふれあいは「アニマルセラピー」として知られ、高齢者にとって精神的な安定や孤独感を軽減してくれます。ペットがいることで日常生活にリズムが生まれ、散歩や餌やりなどの世話を通じて活動量も増えます。また、ペットと触れ合うことで得られる癒しや喜びが、心の健康を保つ手助けとなります。
また、ペットを飼うことが難しい場合は、地域で行われるアニマルセラピーイベントや、ボランティア団体が行っている訪問プログラムに参加するのも一つの方法です。動物とふれあう機会を通じて、気分が高揚し、日々のストレスを忘れることができるでしょう。
これらの習慣を取り入れることは、心の健康を維持し、日々のストレスの軽減につながります。心のケアは、大きな取り組みを必要とせず、小さな工夫で日常に取り入れることができます。例えば、毎朝、新鮮な空気を吸ったり、好きな音楽やアロマを楽しんだり。ほんのちょっとしたことでも心がリフレッシュされます。少しずつ心のケア習慣を日常に取り入れ、心身のバランスを整えることが、生活の質の向上にもつながります。