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ホーム>カータンの泣き笑い介護Days>vol.14楽しい送別会と大泣き父
老人ホーム入居を前向きに承諾してくれた父。
けれど、やはり家族と離れて暮らすということは、
大事(おおごと)だった。
ケアマネジャーさんからは、
ショートステイを利用して
事前にホームに慣れておくことの大切さ
をアドバイスされていた。
特に父は目が見えないから、なおさらだ。
ちなみに、特養に入居する人の多くが、
慣らし目的を兼ねて、
普段からショートステイを利用しているそうだ。
実家にホームの担当者が来て、
姉が説明を受けた。
「とにかく1週間のショートステイを
クリアしないと!」
いろいろ説明を受けた姉が心配まじりに報告してくれた
けれど、この時点では私は全く心配していなかった。
だって、父は本当に明るくて社交的だから。
姉と私は、ショートステイでの合格を前提に、
必要な荷物の用意など入居の準備を進めつつ、
父に好きなものを
存分に食べてもらおうと計画した。
毎日実家へ行き、毎回父の好物を届けた。
父はそれを待ちわびるひな鳥のようだった。
並行して入居の荷造りをし、
みんなで昔話もいっぱいした。
入居の前日は、家族全員が実家に集まり、父の送別会。
馴染みのお寿司屋さんにお願いして、
美味しいお寿司を握ってもらった。
父は終始ご機嫌。
とても楽しい時間だった。
笑顔の父を見て、私たちもうれしかった。
・・・と思ったのも束の間。
帰る前に父に挨拶をしに行った夫が、
「お父さんが泣いている」と戻って来た!
みんなで急いで父の部屋に向かう。
父が泣いていた。
父のあだ名は「泣き虫ヒロシ」。
テレビを見ては泣き、小さな子どもを見ても涙ぐむ。
でも、こんなに子どものように
わんわん泣く父を目にするのは初めてだった。
送別会の日、父がかぶっていた帽子は今もまだ実家に置いてある。少し埃をかぶった三角帽子を見ると、あの日の父の涙を思い出す。