ホーム>カータンの泣き笑い介護Days>vol.07「こらえきれない感情」

カータンの泣き笑い介護Days母が変わっていく・・・ カータンの泣き笑い介護Days母が変わっていく・・・

父、デイサービスへ。母、介護認定へ。 父、デイサービスへ。母、介護認定へ。

いくつになっても子どもは子ども、親は親。
そうなんだけど…高齢の両親との関係、日常はそう単純ではなく、日々気持ちが動きます。

登場人物 登場人物

主婦ブロガーカータンイラスト

  • 主婦ブロガーカータンイラスト
  • カータン父ヒロシイラスト
  • カータン母イクコイラスト
  • カータン姉かお(50代)イラスト

カータン姉かお(50代)イラスト

ある日、
棚からものを下ろそうとしていたら・・・

母「あらなにやってるの?」カータン「こっち五十肩でさぁまっすぐ伸びなくて」 母「いやねー五十肩ってまだそんな年じゃないでしょー」

と、
50歳を過ぎてる娘をヤング扱いする母。

こういうことは、まだ笑い話にできるけど、そうはいかないこともたくさんあって・・・。
ある日、ヘルパーさんから
「(目の見えない)お父さまが朝から何も食べていない」と電話があり
(何度頼んでも母が忘れてしまっているらしい)、
お弁当を買って急いで自宅に行った。

カータン「ママ~時間がないからすぐ帰るけど これお弁当置いてくからパパと食べてね」 母「ちょっとなんか顔色わるいんだからちゃんと寝てるの?」「あなたいつもバタバタして若いから無理しちゃダメよ体は大事にしなきゃ ご飯はちゃんと食べてるの?栄養つけなきゃ倒れるわよ」

父のご飯の用意を忘れ、自分も食べていないのに、私の心配ばかり。
心配なのは母のほうなのに。
でも、こんなとき、素直に感謝できないんですよね。

またあるとき、姉とうちの家族とで
父の誕生祝いに実家に行った日のこと。

パパ来たよ~ おじいちゃん来たよ~ 父は上機嫌でみんなと楽しいひと時を過ごした カータン「あっ明日うちの地域のごみの日だわ ちょっとまとめてゴミを持って帰ろう」 そこには母が隠していいた大量のゴミが・・・ それも生ごみとプラ缶に瓶 ごちゃ混ぜ カータン「ねぇ!ヘルパーさんにゴミの分別も頼んでるんじゃないの?」 母「ママ。自分でできるからヘルパーさんにはゴミタッチしないでって言ってるの」 カータン「できないからこーなっているんだろが!!」 帰りの車のなかなぜか無性に泣けてきて・・・

キッチンにあるゴミを片付けて、
裏口に行くと・・・

パパ来たよ~ おじいちゃん来たよ~ 父は上機嫌でみんなと楽しいひと時を過ごした カータン「あっ明日うちの地域のごみの日だわ ちょっとまとめてゴミを持って帰ろう」 そこには母が隠していいた大量のゴミが・・・ それも生ごみとプラ缶に瓶 ごちゃ混ぜ カータン「ねぇ!ヘルパーさんにゴミの分別も頼んでるんじゃないの?」 母「ママ。自分でできるからヘルパーさんにはゴミタッチしないでって言ってるの」 カータン「できないからこーなっているんだろが!!」 帰りの車のなかなぜか無性に泣けてきて・・・

と、思っても、母に悪気はない。
湧き上がる気持ちをどこへ持っていっていいかわからず。

パパ来たよ~ おじいちゃん来たよ~ 父は上機嫌でみんなと楽しいひと時を過ごした カータン「あっ明日うちの地域のごみの日だわ ちょっとまとめてゴミを持って帰ろう」 そこには母が隠していいた大量のゴミが・・・ それも生ごみとプラ缶に瓶 ごちゃ混ぜ カータン「ねぇ!ヘルパーさんにゴミの分別も頼んでるんじゃないの?」 母「ママ。自分でできるからヘルパーさんにはゴミタッチしないでって言ってるの」 カータン「できないからこーなっているんだろが!!」 帰りの車のなかなぜか無性に泣けてきて・・・

楽しかった誕生会とのギャップもあって、
泣いてしまったのでした

そしてとうとう
私は追い詰められてしまった。
ヘルパーさんから「発疹ができて父が痛がっている」との電話があり、忙しかったので姉に確認のお願いをした。
「痛いけど、大丈夫」と父。
姉と胸を撫で下ろすも、また翌日ヘルパーさんから電話があり、もう一度父に確認したが、同じ答え。
そして翌朝、またヘルパーさんからの電話。

ヘルパーさんにデイサービスの看護師さんとつづけて電話がかかってくる

打ち合わせの合間や移動中にヘルパーさんや看護師さんとやり取りしながら実家に向かった。

ヘルパーさんにデイサービスの看護師さんとつづけて電話がかかってくる

抑えても抑えても、
感情のたかぶりを

こらえることができなかった。

そしてついに、何気ない父の言葉で
どこへも持っていきようのない思い
臨界点を超えてしまった。

ヘルパーさんにデイサービスの看護師さんとつづけて電話がかかってくる

認知症の母も悪くない!だって、母も忘れたくて忘れてるわけではない。何十年も家族のにため食事を作ってきてくれたのだし。 父だって、視力を失っていなければ、私に頼らずに自分で病院に行けたはずだ。ヘルパーさんだって看護師さんだって、父や母のことを思って連絡してくれたのだ。そう、誰も悪くない。でも、次から次へと来る問題にキャパオーバーでキレ、そして自己嫌悪におちいってしまった。

【書籍紹介】

  • 親のトリセツ本の表紙

    『健康以下、介護未満
    親のトリセツ』

    ( KADOKAWA )

    体に不自由は出てきたけど、ガッツリ介護が必要というレベルではない…そんな“健康以下、介護未満”な両親との付き合い方が紹介されています。

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  • 介護のど真ん中親のトリセツ本の表紙

    『お母さんは認知症、
    お父さんは老人ホーム
    介護ど真ん中!親のトリセツ』

    ( KADOKAWA )

    母は認知症が深刻化、父は老人ホームに入り、いよいよ本格化した親の介護に奮闘するカータン家族のエピソードがいっぱい。

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