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vol03 母が変わっていく・・・ vol03 母が変わっていく・・・

これといった大きな前触れもなく、
気がつくと両親は以前の両親ではなくなっていった・・・

登場人物 登場人物

主婦ブロガーカータンイラスト

  • 主婦ブロガーカータンイラスト
  • カータン父ヒロシイラスト
  • カータン母イクコイラスト
  • カータン姉かお(50代)イラスト

カータン姉かお(50代)イラスト

ちょっと前まで同世代の友達が集まれば子供の話「うちの息子反抗期でさあ」「うちもーペットだけが私の癒し」それがいつからか・・・友人「親の老いってまるで玉手箱を開けたようよ」カータン「わかるガクッとくるよね」会えば決まって高齢の親の話うちの母の場合もまさに玉手箱を開けたように・・・父の目が見えなくなったあの頃からいっきにきた急に怒り出したり泣き出したり落ち込んだり。姉「最近ママ情緒不安定だよね~」カータン「私もそう思う」

70半ばで、父は目が見えなくなった。
当初は父も母に苛立ちをぶつけていた。
父の日常生活のすべての面倒を見ていた
母のストレスは、相当だったと思う。

母の負担を減らしたくて、姉と話し合い父を週に2回デイケアに行かせるようにしたのだが、母の情緒不安定は変わらなかった・・・

(母)もう疲れた・・・ もうなにもかもいや・・・オシャレで派手だった母が化粧も口紅くらい。服もかまわなくなってしまった

今にして思えばだが、
この頃から母の記憶が曖昧になっていった。

姉と私は認知症や老人性ウツを心配して病院でテストやMRI、面談などを受けたのだが明確な診断は出なかった。でも・・・

カータン「これいつ洗ったやr?」カータン「ママ!!どうしてゴミを出さないで溜めておくの?」(母)出しても持って行ってもらえなの・・・ママねゴミの分別がわからなくて・・・もうわからなくなっちゃった

洗濯しかけの洋服、瓶や缶がごっちゃの生ゴミ。
姉と手分けして整理したけれど、真夏のゴミの分別は辛かった・・・

早く夏が終われ~早く寒い冬が来い~!!

でも、分別しながら私は思い出していた。母が元気だった頃、口癖のように言っていた言葉を・・・

よく周りの人に近くに娘がふたりもいていいわねと言われるけど私は娘に世話になるつもりはないの娘たちの迷惑にはなりたくないわあの頃の母が今の私を見たら・・・そんなことしないでいいからママは娘にそんなことさせたくないから!!

昔の母がどこかで「ごめんね」と泣いているような気がして、「母だってこんなことさせたいわけじゃない」と思うと、「やらなきゃ!」と思うことができた。

昔の母がどこかで「ごめんね」と泣いているような気がして、「母だってこんなことさせたいわけじゃない」と思うと、「やらなきゃ!」と思うことができた。

こんなこともあった。
いつの間にか、母が風呂嫌いになっていた。

子どもたちが小さい頃には ママ「ほらおばあちゃんとお風呂に入っちゃおう帰ったらすぐ寝れるんでしょ」「お風呂に入らないと気持ち悪くて寝れないでしょ」【お風呂大事】のそんな母がーーーー今じゃすっかり風呂嫌いカータン「ママ~お風呂入ろうか」ママ「えっ私?大丈夫よ」 大丈夫じゃないから言ってんのに!! なぜ母はお風呂に入るのをあんなに嫌がるようになってしまったのか 認知症と関係があるのかしら?

調べてみると、入浴を嫌がるのは認知症の人によく見られる状態、ということがわかった。

服を脱いだり、身体を洗ったり、髪を洗ったり裸になるのが不安なうえ実はお風呂っていろんな作業があるこれらのプロセスがわからなくなってしまうお風呂に入ったと記憶違いしてしまうカータン「まさに母はこれだわ」入浴を促すと決まってママ「あらなんで?こんな昼間に?」「夜になったら自分ではいるわよ昨日も入ったし」今まで私たちはこう思ってたカータン「入るのが面倒だからってあんなこと言って」姉「ホントよバレバレのウソで逃げて~」 カータン「かわいそうなことしちゃったね」「ママはお風呂に入りたくない言い訳していたんじゃなくて本当にそう思っていたんだね」

とはいえ、衛生面、健康面を考えると
週に2回はお風呂に入ってもらいたい!
姉とあの手この手で誘ってみたが・・・

それがなかなか難しいカータン「ほら~この入浴剤かわいいでしょこれ入れてお風呂に入らない?」ママ「昼はいや~」カータン「みて~みて~このパンツかわいい~お風呂上りにはかない?」ママ「わかった」即決かい!?でもいつでも成功するとは限らないカータン「ほら~ママの好きなヒョウ柄よ~」ママ「いい・・・あとで入る」まぁこんな日もある

おしゃれだった母が服装に無頓着になり、物忘れからできないことが増えていった。
「なんで、洗濯機が回せない?」
「なんで、ゴミの分別ができない?」
「なんで、お風呂に入らないの?」
でも、ある時、ふっと腑に落ちたのだ。大人にとっては簡単なことだけど、これって案外難しいことなんじゃない?語弊はあるかもしれないが、私の場合は、母を小さな子どもに置き換えることで納得できた。
小さな子どもがひとりでできないことを、母もできなくなっているのだと。

【書籍紹介】

  • 親のトリセツ本の表紙

    『健康以下、介護未満
    親のトリセツ』

    ( KADOKAWA )

    体に不自由は出てきたけど、ガッツリ介護が必要というレベルではない…そんな“健康以下、介護未満”な両親との付き合い方が紹介されています。

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  • 介護のど真ん中親のトリセツ本の表紙

    『お母さんは認知症、
    お父さんは老人ホーム
    介護ど真ん中!親のトリセツ』

    ( KADOKAWA )

    母は認知症が深刻化、父は老人ホームに入り、いよいよ本格化した親の介護に奮闘するカータン家族のエピソードがいっぱい。

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