4大認知症の特徴(4)「脳血管性認知症」

「脳血管性(のうけっかんせい)認知症」は、脳血管の異常(脳梗塞や脳出血など)によって脳がダメージを受け、それによって起こる認知症の総称です。4大認知症における他3つの認知症とは少し異なり、特定の部位はありません。異常を起こした血管の部位により、症状も異なります。
脳血管認知症は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの「生活習慣病」が原因となり起こるケースが多く、生活習慣病を予防することが、同時に脳血管性認知症を予防することにもつながります。
原因と症状
■原因

脳梗塞や脳出血など、脳血管に起こった異常が脳に部分的なダメージを与えることで発症する。(原因となる疾病のほとんどは、生活習慣病が元になっているケースが多い)
■症状
●原因となる脳血管障害によって、さまざまな認知機能の異常が起こる
●脳梗塞を多発した方が発症するケースが最も多い
●脳血管障害の大きさが、認知症の程度と関係してくる
症状例
●片麻痺
●意欲や自発性低下
●感情の障害
●歩行障害
●頻尿、尿失禁
●構音障害(声を上手に出せない)
●嚥下障害(食べ物を飲み込めない)
症状へのアプローチ方法
●覚醒の変動(症状が強く現れている時と、そうでない時)に合わせて生活リズムを変更し、覚醒レベルに合わせた介入をする
●脳卒中の症状を伴う場合は、脳卒中に対する
アプローチを併用する
監修:森ノ宮医療大学
教授 横井 賀津志