4大認知症の特徴(3)「レビー小体型認知症」

4大認知症のひとつ、「レビー小体型(しょうたいがた)認知症」は、脳内に特殊な異常タンパク質(レビー小体)が増え、後頭葉から海馬までの広範囲で脳がダメージを受けることによって起こる認知症です。認知機能の低下に加え、実際にはないものが見える「幻視」や、周囲からの刺激に対してうまく注意を向けられなくなる「注意障害」などの症状が表れます。(睡眠障害が初発の症状となることも多い)
レビー小体はパーキンソン病を引き起こす原因とも言われる異常タンパク質であり、レビー小体型認知症でもパーキンソン症状(筋肉が固縮して身体や表情が固くなる、小刻みに歩くなどの症状)が見られます。
原因と症状
■原因

脳内の特殊な異常タンパク質(レビー小体)が増えることにより、海馬(かいば:記憶を司る部分)から後頭葉(こうとうよう:視覚を司り、見たものを認識・処理する部分)までの広範囲で脳がダメージを受け、発症する。
■症状
●初期症状に幻視が多く見られる
●睡眠障害が初発症状となることも多い
●注意障害(周囲からの刺激に対し、うまく注意を向けられなくなる状態)が見られると、覚醒レベルの変動が起き、症状にムラが出る
症状例
●幻視を訴える
●睡眠障害がある
●便秘、血圧変動、失禁、性的機能障害など自律神経機能障害がある
●1日のうちで症状の変動が激しい注意障害が見られる
●パーキンソン症状(筋肉が固縮して身体や表情が固くなる、手が震えるなどの症状)を認めることがある
●転倒しやすくなる
症状へのアプローチ方法
●幻視に対して、肯定的に対応し、共に解決策を試行する
●転倒予防のための環境を整備する
●認知機能や覚醒レベルの変動に併せて生活を調整する
監修:森ノ宮医療大学
教授 横井 賀津志