4大認知症の特徴(2)「前頭側頭型認知症」

4大認知症のひとつ、「前頭側頭型(ぜんとうそくとうがた)認知症」は、前頭葉や側頭葉の異常によって起こる認知症です。特徴としては、認知症の症状として広く知られている「もの忘れ・記憶障害」などの症状が初期に目立ちにくく、人格の変化や言語障害などが強く現れる傾向があります。落ち着きがなくなり、興奮状態になりやすく、思いのままに行動してしまうことがあります。接する際はなるべく刺激せず、ストレスを与えないよう注意したり、近くに危険物を置かないようにするなどの配慮が必要です。
原因と症状
■原因

前頭葉(ぜんとうよう:人格を司る部分)や側頭葉(そくとうよう:言語を司る部分)の神経細胞が萎縮することによって発症する。明確な発症原因は不明。(脳神経細胞内に特殊な異常物質が多く蓄積することは確認されている)
■症状
●前頭葉に異常が起こった場合
…人格の変化、攻撃的になったりする●側頭葉に異常が起こった場合
…言葉の理解ができなくなり、記憶障害が現れる
(初期は記憶障害が現れにくいという特徴がある)
症状例
●毎日同じものを食べ続けることがある
●着るものや身だしなみに無頓着になりやすい
●落ち着きがなくなる
●自発的な会話が少なくなる
●興奮状態になりやすい
●悪気なく、他人のものをとったり食べたりする
●同じ時刻に、同じ行動をとることが多い
症状へのアプローチ方法
●日常生活をスケジュール通りに組み立てる
●何度も繰り返す行動は、危険でなければ遂行させる
●ストレスを発散できる活動を選択する
●刺激の少ない環境を心がける
●身の回りの危険物を除去する
監修:森ノ宮医療大学
教授 横井 賀津志