まずは知っておきたい!4大認知症と認知症予防法

2012年時点で推計約462万人が発症している認知症。実は認知症が「脳の病気」であることをご存知でしょうか。加齢が危険因子の1つになるため、誰もが発症する可能性があります。
症状が進行すると、物忘れなどにより新しい環境に慣れることができず、常に不安と向き合わなければなりません。さらに、人が安心してその場にいることができる「時間」・「場所」・「人」の認識が難しくなります。
その結果24時間365日不安との戦いを強いられ、解決しようと努力するものの、うまく対処できず、徘徊をはじめ暴言、もの盗られ妄想などの行動面や心理面の症状が出現することが多いのです。
認知症を予防し、健康寿命を延ばそう!
健康寿命とは、介護を受けなくても自立しているということです。統計によると平均寿命と健康寿命との間には、男女ともに約10年もの期間差があります。介護が必要なケースにはさまざまな要因がありますが、認知症はそのトップ3に入る要因の一つに入ります。
認知症は、一度かかると治らないといわれており、だからこそ予防が大切になってきます。予防法としては、3つの方法が挙げられます。

一つ目は「身体の運動」。有酸素運動や、ながら運動は認知機能の改善に特に効果が期待できます。
二つ目は「生活習慣の予防」。糖尿病などの生活習慣病の予防は発症の抑制につながります。
最後は「頭の運動」。ゲームやパズルなどの考える活動は認知機能向上に最適です。人との交流が認知症の予防になるという報告もあり、運動やゲームをしながら人と交流したいものです。


知っておきたい4大認知症
認知症にはさまざまな症状がありますが、代表的な4大認知症とそれぞれの違いを紹介します。
①アルツハイマー型認知症
比較的に進行は緩やか、放置すると悪化する。初期から記銘力(新しい経験を受けて覚え込むこと)が低下する。
②前頭側頭型認知症
前頭葉に異常が起こると主に人格に変化が生じ、側頭葉に異常が起こると記憶障害が現れる。初期では物忘れなどの記憶障害が現れにくい。
③レビー小体型認知症
初期症状に「幻視」がみられることが多い。パーキンソン症状(動作開始困難、筋肉が硬くなる等の運動症状)が加わる場合がある。
④脳血管性認知症
脳梗塞を多発した方が最も多く、脳血管性認知症の原因の多くを占める。
■4大認知症の違いとは?
アルツハイマー型 認知症 |
症状
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前頭側頭型 認知症 |
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レビー小体型 認知症 |
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脳血管性 認知症 |
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※代表的な4代認知症を一覧にしています。
その他にも、認知症にはさまざまな症状があります。
監修:森ノ宮医療大学 教授
横井 賀津志 教授