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ホーム>介護のお役立ち情報>暮らしと健康ライブラリ>認知症が発症する原因
わが国の認知症患者は年々増加しています。2012年時点での患者数は約462万人。予備軍である軽度認知障害(MCI)者数も約400万人と推計されています。これからますます高齢化が進む現代において、誰もが関わる問題と言えるでしょう。
認知症はなぜ起こるのでしょうか? その原因については、現代においてもいまだ明確な答えが出ていません。認知症の種類(型)によっても要因は様々に異なり、不明な部分も多いのです。現在、理由として考えられているものには次のようなものがあります。
理由① 老化による発症
老化とともに脳内に特殊な異常タンパク質が増加、蓄積し、それが脳細胞にダメージを与えることによって発症すると考えられています。(異常タンパク質が増える原因については分かっていません)一般的に「認知症=高齢者がかかるもの」と認識されているのは、これが原因となるケースが最も多いためです。
理由② ケガや病気による発症
頭にケガを負ったり、病気をすることによって脳細胞が損傷し、判断力や記憶力が著しく低下した場合に発症します。老化による発症とは異なり、原因となる損傷が治療によって改善された場合、回復する可能性があります。
理由③ 生活習慣病が発端となる病気
生活習慣病が原因となって発症する疾病には血管に影響を及ぼすものが多くあります。それが脳内で起こった場合、認知症につながる可能性があります。「認知症はあたまの生活習慣病」と呼ばれるほど、実は生活習慣病との関連性は高いのです。
理由④その他の原因
長期的なストレスや鬱など、精神的な負担がストレスホルモンを蓄積させ、脳に影響を与える場合があります。また、難聴などによって他者との会話がうまくできなくなり、引きこもりがちになることで軽度認知障害(MCI)になるケースもあります。日常生活のちょっとしたストレスが蓄積されることによって、脳に影響を与える可能性があるのです。
■脳がダメージを受けた場所によって症状は変わる
認知症の症状には色々なものがありますが、それらは脳の異常個所と密接な関係があるとされています。人格、言語、視覚、記憶、見当識(時間・場所・人の認識)などへの影響が複雑に関わり合って、認知症の症状として現れるのです。
監修:大阪公立大学 リハビリテーション学研究科
教授 横井 賀津志