認知症予防につながる栄養素と食材
認知症予防には食生活の改善が有効ですが、「どんな栄養を摂ればいいのか分からない」「何をどのくらい食べればいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。認知症を予防する食材は身近にたくさんあります。その一例を紹介しますので、毎日の食事の中で無理なく、バランスよく取り入れていきましょう。一度に全部を改善することは難しいかもしれませんが、できることから1つずつ見直していくと良いでしょう。認知症の発症・進行を予防できるだけではなく、同時に生活習慣病予防にもつながります。
DHAとEPAを豊富に含む「魚」
DHAやEPAは、魚に多く含まれている脂肪酸の一種です。人の体内でつくることができないため、常に食事によって補給する必要があります。
DHAは脳の神経細胞を構成する成分のひとつで、記憶力や判断力向上に有効であるとされており、EPAは血液をサラサラにして脳内に血栓が作られることを防ぎます。サンマやアジ、イワシ、サバなどの青魚はDHA・EPA含有量が特に多く、旬の時期は脂も多く乗っています。それぞれの時期に合わせた旬の魚を積極的に摂るようにすると良いでしょう。
ビタミンB群・Dを含む食品
ビタミンB群は身体のエネルギー源になる栄養素です。不足すると集中力低下や記憶障害などの症状につながる可能性があるため、認知機能と深い関わりがあると考えられています。
ビタミンB群の一種であるB12や葉酸には動脈硬化の進行を抑える効果があり、ビタミンDには脳の神経細胞を保護する作用があります。それぞれの栄養素を多く含む食品を積極的に摂っていきましょう。
《栄養素を多く含む食品》
- ●ビタミンB12
しじみ、赤貝、牛レバー など - ●葉酸
鶏レバー、牛レバー、ほうれんそう など - ●ビタミンD
あんこうの肝、しらす干し、いわし など
抗酸化作用の高い食品
私たちの身体は日々、酸素を取り入れて活動していますが、その過程で取り込んだ酸素の一部が細胞を酸化させ、老化を促進させています。
「身体の酸化」とはつまり「老化」のこと。そして、その酸化を抑えてくれる作用の高い食品が「抗酸化食品」です。
抗酸化作用を持つ栄養素の代表例といえばポリフェノールでしょう。ポリフェノールとは、植物に含まれる色素や苦み・渋み成分の総称です。
色や味の濃い食物に多く、また 実よりも皮に多く存在しているという傾向があるため、皮ごと食べられる食物ほど効率よくポリフェノールを摂取できます。
《ポリフェノールを多く含む食品》
- ●飲料
赤ワイン、コーヒー、緑茶 など
- ●飲料
赤ワイン、コーヒー、緑茶 など
- ●野菜
緑黄色野菜全般、なす、ほうれん草、アスパラガス など - ●果物
トマト、ぶどう、ブルーベリー、柿、バナナ など - ●その他
大豆類、ごま類、カレー、オリーブオイルなど
- ※上記の食材は研究中の内容も含まれており、今後変わる可能性もあります。
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監修:一般社団法人 日本認知症予防協会