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ホーム>介護のお役立ち情報>暮らしと健康ライブラリ>寒い冬は浴室やトイレのヒートショックに注意!
高齢者の浴槽内での不慮の溺死及び溺水の死亡者は4750人です。(厚生労働省人口動態統計/令和3年)交通事故死亡者数2150人のおよそ2倍です。その原因の多くはヒートショックと考えられています。ヒートショックは、部屋と部屋の間の寒暖差などによって起こります。浴槽内で意識障害になって倒れ、お湯の中に沈み込んで溺死するというケースが多いのです。それでは、高齢者をヒートショックから守るために、どうすればいいのでしょうか。ヒートショックになる仕組みと予防対策法を紹介します。
日本の多くの家屋は、日当たりのよくない家の北側に浴室とトイレが配置されています。冬は、暖かい部屋から寒い浴室やトイレに移動すると、身体は体温を調節するためにブルッと筋肉を震わせて熱をつくりだします。同時に熱を奪われないように血管が縮み、血圧が上昇します。
また、お湯に浸かって身体が温まると血管が広がって血圧が低下し、洗い場で身体を洗ったり、寒い脱衣所に移動したりすると、また血圧は変動します。このような血圧の変動の繰り返しによって脳の血流が減り、意識障害を起こす可能性があります。
では、ヒートショックを予防するには、どうすればいいでしょうか。
■浴室で注意すること
温度の急激な変化を避けるために、脱衣所や浴室に暖房器具を設置し、入浴前に暖めましょう。また、浴槽にはシャワーで給湯すると蒸気で浴室の温度が上がります。浴槽にお湯がたまっている場合は、入浴前にふたを開けておきます。
41℃以下のあまり熱くないお湯に入りましょう。お湯につかる時間は、10分までを目安にしましょう。
いきなり浴槽に入らず、心臓から遠い手や足からかけ湯をするなど、お湯の温度に身体を慣らしましょう。
肩まで浸かる入浴は、水圧によって心臓に負担がかかります。みぞおちの下までを湯につける半身浴にしましょう。ただし、長い時間つかっていると血圧が上がるので、5分程度に留めましょう。
急に立ち上がると、めまいが起きることがあります。浴槽から出るときは、手すりや浴槽の縁を持って、ゆっくり立ち上がりましょう。
まだ温まっていない一番風呂ではなく、十分に温まった状態で入浴しましょう。ただし、冷え込む深夜ではなく、早めの時間に入浴を済ませましょう。
飲酒すると、血管が拡張して血圧が低下します。できるだけ飲酒前に入りましょう。また、体調の悪いときや、睡眠薬服用後の入浴は避けましょう。
食後は血圧が急激に下がって意識を失う恐れがあるので、食後すぐの入浴は避けましょう。
入浴前後に水を飲むと血液がサラサラになり、血圧や血流の変動による脳疾患などを起こしにくくなります。
体を洗うときには、お湯で温めたタオルを肩にかけて体温が下がらないようにしましょう。また、風呂場の床が冷たい場合は、スノコやマットを敷きましょう。
■トイレで注意すること
寒い廊下を歩いてトイレに行くと、心臓に負担がかかります。可能であれば、寝室はトイレに近い場所に配置しましょう。
トイレに暖房器具を設置して、快適さを保ちましょう。また、暖房便座を設置してもいいでしょう。
排便の際に、いきみすぎると心臓への負担が高くなるので注意が必要です。
高齢者ご本人と家族が、浴室やトイレでヒートショックが起こりやすいと知っておきましょう。ご本人も注意してゆっくりと行動し、ご家族も入浴中などに声をかけるようにしましょう。
ヒートショック予報は、気象予測情報にもとづいて、家の中でのヒートショックのリスクの目安を示しています。入浴前に、チェックしてみてください。
ヘルスレント関連コラムリンク
参考サイト:
消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_013/
鹿児島県医師会
http://www.kagoshima.med.or.jp/people/topic/2010/308.htm
監修:医療法人延寿会 ひるずクリニック
院長 西川泰章