フランス料理の食べ方のマナーと中国料理の作法
前回に続いてフランス料理のマナーの第2回目として、メイン料理となる魚や肉料理の食べ方を紹介します。また、さまざまな集まりに中国料理店を選ばれることも多いかと思います。中国料理店のマナーは比較的自由ですが、円卓でのマナーなどは注意することもあります。正しい作法を知り、失礼のない振る舞いを心がけましょう。中国料理は、前菜、スープ、主菜、主食、点心の流れで提供されます。堅苦しい雰囲気は抜きにして、賑やかに和気あいあいと楽しみましょう。
フランス料理の注文方法と食べ方
■フランス料理と高齢者
フランス料理店の予約時には、苦手なものやアレルギーのあるものを伝えます。それと同じように、メインディッシュを肉料理ではなく、食べやすい魚料理にしてもらうことが可能です。また、料理はできる範囲でやわらかくしてほしいとリクエストしてみましょう。対応してくれる店もあると思いますので、相談してみてください。
■魚料理の食べ方
身が崩れないように、丁寧に切っていきます。魚の筋に沿うと切りやすいです。
■肉料理の食べ方
肉料理を注文した場合は、焼き加減を聞かれます。焼き加減は主に3つあります。
- ●レア…表面に焼き色をつけただけで、中心部は生の状態。
- ●ミディアム…全体に火を通し、表面はしっかりと焼いて硬め、中身は半生。
- ●ウェルダン…中心まで火が通り、しっかりと焼き上がっている。
お好みにもよりますが、ご高齢の方はウェルダンかミディアムがいいかもしれません。
肉料理も、魚料理と同じく、筋に沿うと切りやすく、ナイフを斜めに入れるとさらに切りやすくなります。また、肉は最初に全部切り分けてしまうと、肉汁が流れてしまい料理が台無しになってしまいます。左端から一口大に切り、左のフォークで口に運ぶのが正しい食べ方です。
■スープの飲み方
手前から奥にスプーンを動かして、スープをすくいます。口に入れるときは、音をたてずに、吸うのではなく、流し込むようにしてください。スープの量が少なくなってきたら、スープ皿の手前の端の方を少しだけ持ち上げて器を傾け、手前から奥へとすくいます。
中国料理店の作法
■中国料理と高齢者
中国料理は大皿で運ばれてきて自分で取り分けられるので、苦手なものや硬いもの、辛すぎるものなどは避けることができます。それが中国料理の一番のメリットかもしれません。また、予約時に苦手なものやアレルギーなどを伝えることもできます。さらに、辛さの調整もできるか聞いてみてもいいでしょう。
■円卓のルール
まず主賓が料理を取り、回転台を時計回りに回して順番に取っていきます。全員に行き渡った後であれば、回しやすい方向に回しても構いません。お料理は、主賓や年長者が箸をつけてから、一緒にひと口目を食べるようにしましょう。
<円卓のタブー>- ●回転台の料理や調味料を立って取るのはNG。必ず回転台を回して、自分の正面に移動させてから料理を取ること。
- ●回転台の上は、調味料や、急須、料理の大皿などを置く場所なので、自分の取り皿や食べ終わった後の皿を乗せないようにする。
■取り皿のマナー
- ●中国料理では料理が混ざらないように、料理ごとに取り皿を変えます。取り皿は何枚使っても構いません。
- ●中国料理では、茶碗とレンゲ以外は持ち上げてはいけません。円卓上のお皿から料理を取るときも、取り皿は置いたままにしましょう。
- ●取り皿に自分で取った分は残さず食べましょう。
■食べ方のマナー
- ●麺は、一度レンゲに取り、汁がはねないようにして食べます。スープを飲むときは、レンゲを右手に持ち替えましょう。
- ●レンゲの持ち方は、柄のくぼみに人差し指を入れ、親指と中指で持ちます。また口に当てるときは真横ではなく斜めに、口に垂直に当てるとよいでしょう。
フランス料理店でも中国料理店でも、お店を出るときは、お店の方に「ごちそうさまでした」と笑顔で声をかけましょう。
参考サイト:
NPO法人 日本サービスマナー協会
http://www.j-manner.com/table
監修:NPO法人日本サービスマナー協会
マナー講師 河中 寛子