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はじめてのおうち介護

04

持ち上げない!

楽々ベッド介助
3つのコツ

高齢のご家族が、
「起き上がるのに時間がかかる」「寝返りのたびに痛がる」
「朝起きたら体がこわばっている」…そんな様子はありませんか?
ベッド上の動きがスムーズにいかなくなると、
床ずれや睡眠障害のリスクが高まり、介護が一気に大変になります。
でも、「全部を持ち上げて動かす」のではなく、「滑らせてラクに動く」
工夫があれば、ご本人も介助するご家族も、ずっとラクになるんです。

1家族が気づけるポイント

ベッドの上で「動きにくい」は、見逃せないサインです。
日々の様子から、こんな変化に気づいたことはありませんか?

Check

  • 自分で寝返りを打たなくなった
  • 起き上がるときに腕だけに頼っている
  • 動くたびに痛がる、こわばる
  • 朝、同じ姿勢のままで背中が赤くなっている
ヘルスレントからの
アドバイス
これらは「動けない=全部介助が必要」ではなく、
「ちょっとした動きをサポートしてあげると、
自分でも動ける」サインです。

2ベッド介助のポイントは?

ポイントは「持ち上げる」ではなく「滑らせる」こと。
実は、ベッド上で体を「持ち上げて動かす」のは、本人にとっても介助者にとっても大きな負担です。そこで大切なのが、「滑らせる」介助です。

  • バスタオルを使って背中をゆっくり滑らせる
  • スライディングシートを使って
    少しずつずらす
  • ベッドの高さや背上げ
    調整して、ラクに動ける姿勢にする
ヘルスレントからの
アドバイス

こうした工夫で、「動けない」が
「少しなら動ける」に変わります。
本人の筋力も感覚も保ちやすく、何より安全です。

3家族ができるサポート

介助をするご家族は、
次のような視点や工夫を取り入れると、より安心して介助ができます。

  • スライディング
    シート

    バスタオル
    活用する

    スライディングシート
    持ち上げることなく滑らせて移乗をサポートします。身体の状態に合わせてシートや
    ボード、グローブなどがあります。
  • 動作の
    タイミング

    声かけで合わせる

  • 小さな動作
    分けて進める

    1 両足をおろしておく 2 頭は円を描くよう動かす 3 腰に手を添え誘導する
  • ベッドの高さや
    リクライニング機能を
    使って、動きやすい
    姿勢
    を作る

    介護ベッド
    ベッドからの起き上がり立ち上がりがラクになる。スイッチ操作でリクライニング機能や床の高さが変えられます。
ヘルスレントからの
アドバイス

すべてを家族が「やってあげる」のではなく、
少しずつ「動ける方向に導く」ことがポイントです。

4まとめと行動のきっかけ

「本人にやさしい介助は、家族にもやさしい」ちょっとした工夫で、
毎日の介護はぐんとラクになります。
滑らせる介助は、痛みや不安を減らすだけでなく、
介護負担の軽減にもつながります。

今日から、ひとつの動作から見直してみませんか?

【監修】

関西医療学園専門学校 理学療法学科教員/理学療法士/
公益社団法人 大阪府理学療法士会会長 熊崎 大輔