パーキンソン病の症状とおすすめ福祉用具
高齢者に多い疾患 その⑤パーキンソン病の症状・おすすめ福祉用具のご紹介
どんな病気?
パーキンソン病とは脳の異常のために起こる神経変性疾患で、身体の動きに障害が現れる病気です。現在、わが国には10万人以上の患者さんがいると推定されています。高齢者に多くみられる病気ですが、若い方でも発症することがあります。
パーキンソン病は何年もかけてゆっくりと進行する病気で、初期症状は「ふるえ(振戦)」「固縮」「無動」「姿勢反射障害」の4つが特徴です。
また、これらの症状によって、幻覚・幻聴・うつ症状、認知症などの精神症状や嚥下障害、姿勢異常などの運動障害が生じます。
現在、完治する治療法はありませんが、症状を遅らせることはできます。まずは専門医を受診しましょう。
なぜ起こるの?
原因は脳内のドーパミンという物質の不足によるものです。わたしたちが体を動かすとき、脳の大脳皮質から全身に運動指令が伝達されます。このとき運動の調節 を指令しているのが「ドーパミン物質」です。このドーパミン神経が減少すると、パーキンソン病を引き起こし運動の調節がうまくできず、身体の動きにも障害が現れるのです。
パーキンソン病の初期症状は4つ
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- 手足のふるえ (振戦)
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安静時に手や足に細かなふるえが生じる。
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- 手足のこわばり (固縮)
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腕や足を動かそうとすると、関節がカクカクするような抵抗が感じられる。
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- 動作が緩慢 (無動)
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歩く速度が遅くなり、歩幅も狭くなる。また、腕の振りも小さくなる。
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- 転びやすくなる
(姿勢反射障害) -
重心がぐらついたときに姿勢を立て直すことができず、そのまま倒れてしまう。
- 転びやすくなる
「不安」が症状悪化につながる
パーキンソン病によって、身体がスムーズに動かせなくなると、生活の中でのストレスが大きくなります。
「また失敗した。次も失敗するのではないか」という不安が、活動意欲を低下させ、さらなる症状悪化を招くことにもつながるのです。不安な気持ちはできるだけ自分1人で抱え込まず、何に対して不安なのかを周囲の方に伝え、共有してもらうようにしましょう。
- リハビリや転倒予防で症状の軽
減や安全確保を! -
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日常生活における移動を補助
パーキンソン病では、
リハビリは大切な治療の1つです。
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転倒防止で安全性を高める
福祉用具の利用などで手足のふるえや
こわばりによる転倒のリスクを回避しましょう。
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神経の障害に伴い、
さまざまな症状が現れます。

パーキンソン病では黒質のドーパミン物質の減少に加え、他の中枢神経や自律神経もダメージを受けます。これにより手足の震えなどの代表的な症状に加え、神経症状や自律神経の障害が現れることもあります。
- 神経症状
- 「抑うつ」や「幻覚」を伴う場合があります。また、高齢で重度の患者さんでは「認知症」を合併することもあります。
- 自律神経障害
- 最も多いのは「便秘」で、患者さんの8割程度にみられます。
監修
高齢者生活福祉研究所
理学療法士 加島 守
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