いま、親のいまを知ろう。質問シートを
ためしてみませんか?
親のいまを知るきっかけとなる10の質問を
STEP1からSTEP3までご用意しました。

何気ない日常から将来のことまで
いまの親を知るきっかけづくりにご活用ください。
ここではポスターで紹介しきれなかったものも含め、
さまざまな「親のいま」についての
調査結果を発表します。
親のいまを知るきっかけとなる10の質問を
STEP1からSTEP3までご用意しました。
何気ない日常から将来のことまで
いまの親を知るきっかけづくりにご活用ください。
人生100年時代、健康長寿がより重要となっています。年をとって心身の活力が低下した状態のことを「フレイル」と呼びます。虚弱を意味する英語のfrailtyを語源とする言葉で、多くの人が健康な状態からフレイルを経て、要介護状態に陥ると考えられています。フレイル予防には、「栄養」、「運動」、「社会参加」が鍵であり、さらにこれらを包括的に工夫することが重要です。フレイルの兆候を早期に発見し正しい対処をすれば、フレイルの進行を抑制したり、健康な状態に戻すことができます。
親の滑舌が悪くなりしゃべりが聞き取りづらく感じたら、口腔機能の低下=オーラルフレイルのサインです。滑舌の低下は咀嚼力(そしゃくりょく)や嚥下力(えんげりょく)の低下にもつながり、舌の力だけでなく、全身の筋肉も衰えているケースも少なくありません。また、親御さんと話をしていて、「ペットボトルのフタが開けづらくなった」、「大きな道路を渡る途中で信号が変わってしまった」などと聞くようになったら、筋力の低下が考えられます。
フレイル予防には人とのつながりも重要です。一人で食べる「孤食」はフレイルにつながるリスクが高いといわれており、地域の集いなど誰かと一緒に食事ができる環境を心がけてください。みんなでわいわいするのが苦手な親御さんであれば、無理やり交流の場に引っ張り出すのではなく、気の合う仲間内での食事や趣味を勧めてみてはいかがでしょうか。例えば将棋が好きな方なら、大会に出よう、地域の子どもに教えてあげようなど、身近な目標があるとより効果的かもしれません。さらに、これらの継続性のある予定を「マイスケジュール」として、自発的に入れていくことも重要なのです。
フレイル予防の取り組みと介護用品の利用は相反する、と捉える方がいらっしゃるかもしれませんが、道具を使うことをネガティブなことと捉えるのは良くありません。例えば歩く機能が低下したのなら、つえを使うことでぐっと歩きやすくなり、外出も楽しめるようになるはずです。老眼になったらメガネをかけて映画や読書を楽しむのと同じように、道具で補えばよいのです。「歩きづらくなった→出かけたくない→人との交流がなくなる」というのでは「社会参加」も「運動」機能も低下します。もっと人生を楽しむために、介護用品や福祉用具などのツールをうまく活用しよう!そんなポジティブな気持ちで利用しましょう。
今回の調査結果を見て、かつてのように親子が同居し、子が老いた親の面倒を見るのが当然といった風潮はなくなりつつあることが改めて感じられました。親世代が子の前で元気なふりをしたり、ヒヤリハット体験を伝えないのは、子の負担になりたくない親心であり、元気で強い親であろうとするからでしょう。また、子世代も、親の老いを見て見ぬふりをし、親の老いを受け止められないのは、子どもの頃から抱いてきた強い親のイメージとのギャップを認めたくない、そんな子心からだと考えられます。
さて、親と直接会っても、何を話していいかわからない、直接向き合ってみたものの、行き詰まってしまった、そんな経験はありませんか? 今回の調査では、親の老後について真剣に話し合えていない親子が多数いました。いきなり老後をどうするかなんて話はしづらいものです。たまに帰ってきた子どもから唐突に「老後どうするの?」と言われると、親からしたら「老人」としか見られていないと感じ、むっとするはずです。老後について話し合う前に、一緒にいないときの親の暮らしぶりについて興味を示すことが大事です。「普段どうしてる?」という言葉をきっかけに、何げない会話からコミュニケーションを始めてみてはいかがでしょうか。日頃から子どもが自分のことを心配してくれていることがきちんと伝われば、お互いが気遣うが故のすれ違いも解消できると思います。
直接向き合って話しづらい親子にオススメなのが旅行です。親子が各々馴染んだ場所から離れて、不慣れな場所に一緒に出かけ、親子が一緒に未知のことを見聞きし、未体験のものを食べます。その対象に一緒に向かい、一緒に何かをしているとき、親子は対等な関係になり、面と向かって話せない胸の内がお互いぐっと話しやすくなります。一緒に散歩に行くのも良いでしょう。歩きながらであれば、普段の生活や交友関係についても自然と話題に上り、今の親の健康状態を知ることができます。直接向き合うのではなく、一緒に前を向く取り組みが、別居親子のコミュニケーションの潤滑油となりそうです。