介護のいろは 福祉用具編 車いすって、どう選べばいいの?
福祉用具の選び方編車いすって、どう選べばいいの?
車いすは「移動する」だけでなく、正しい姿勢を保って座れる「いす」の役割も果たしています。では、どんなことに気をつけて選べばいいのでしょうか?
車いすを使うメリット
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ご利用者さまの移動をスムーズにします。
思うように歩けない人も、車いすを使えば目的の場所へ行くことができます。ご本人の症状によってはご自分の意思で動かせる場合も多くありますし、ご自身で操作できない場合も介助者が押すことで少ない力で早く移動できるようになります。
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座り姿勢を保ち、暮らしにメリハリが生まれます。
座り姿勢を保つことができれば、座っている時間も長くなり、食事やテレビ、趣味などの楽しみが広がります。横になった姿勢でいるより意識がはっきりし、まわりへの興味や関心が生まれ、気力が高まります。
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車いすの主なタイプ
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自分で操作する“自走用車いす”
ご自分で手や足を使って車いすを動かせる方に向いています。手でこげる方は、効率よく動かせる位置にハンドリムがあるタイプを選びます。足でこげる方は座面の高さ調節や足のせ台が取り外しできるタイプを選びます。
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介助者が操作する“介助用車いす”
介助者が背後から押して動かすタイプで、自力では車いすを動かせない方に向いています。自走式より車輪が小さく、ハンドリムはありません。ブレーキなども介助者が使いやすい位置にあります。
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細かな調整ができる
“モジュラー型車いす”なにかにつかまらないと座り姿勢が保てない方には、身体状況に合わせて各パーツを微調整できるモジュラー型が向いています。背中が丸くなっている、体幹が傾いている、骨盤が前後にずれているなど、さまざまな状況にフィットします。
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自力で座れない方には
“姿勢保持機能型車いす”自力で座れない方は、背もたれが倒せるリクライニング機能や、座面と背もたれの角度を保ったまま傾けて座り姿勢をキープできるティルト機能が付いています。横になったまま移動したり、床ずれを防ぐのに向いています。
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車いす選びのポイント
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ひとりひとりの体格や身体症状に合った寸法を。
標準的な寸法の場合、小柄なご高齢者に合わないケースが少なくありません。座幅・奥行が合わないだけでも正しい座り姿勢が保てず、姿勢や動きにムリが生まれます。車いすの寸法は安易に選ばず、必ず専門家に相談するようにしましょう。
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帆布の座面は短時間のみ。クッション選びが重要です。
車いすの多くは折りたたみ機能を優先し、座面が帆布(スリングシート)になっています。帆布は長く座るのに向いていませんので、体重を効率よく分散し、おしりが痛くなるのを防ぐクッションも合わせて選びます。
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使う場所を考えて、最適な車いすを選びます。
屋内で使うなら、廊下を通りやすい寸法や小回りのきくタイプを選びます。屋外なら、路上の状態により安定性と小回りのどちらを重視するかを考えます。折りたたんでクルマで運ぶなら、軽くてコンパクトなタイプがいいでしょう。
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