介護のいろは 福祉用具編 居室用の「手すり」って、どう選べばいいの?
福祉用具の選び方編居室用の「手すり」って、どう選べばいいの?
なかなか立ち上がれなかったり、立ったときの姿勢がふらついて安定しないとき、大きな助けとなるのが手すりです。ここでは工事の必要がなく、ご家庭で簡単に取り付けられる手すりをご紹介します。
手すり(居室用)を使うメリット
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ベッドやふとんからの立ち上がりをサポートします。
ベッドやふとんから立ち上がる動作は自立への第一歩。居室用の手すりはこの立ち上がり動作を助け、自力で歩いて移動するきっかけをつくります。
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その場で方向転換したり、姿勢を保つ支えになります。
立ち上がった後、手すりを持ったまま立ち姿勢を保つことができます。また、手すりを持ち変えることで体の向きを変えやすくなります。
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歩いているあいだ姿勢を支え、転倒の危険を減らします。
長さのある手すりなら、持ったまま前に進むことで移動がラクになります。ふらつきなどがあっても、手すりを握る力があれば、転倒の予防につながります。
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手すり(居室用)のタイプ
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“据え置き型”
ベッドやふとんのそばに置き、
立ちあがりをサポート。床に置いて使用するタイプの手すりで、ベッドやふとんからの立ち上がりに使います。ベースの部分の上にいろいろな形状の手すりがついています。 -
“据え置き組み合わせ型”
立ち上がったあとの方向転換や
歩き出しを補助。据え置き型を複数組み合わせ、その間にバータイプの手すりなどを連結させたものです。立ち上がった後の方向転換や短い移動に便利です。 -
“突っ張り型”
上をつかんで引っ張る力で
立ち上がりを助けます。床と天井の間に突っ張り棒のように手すりを設置するタイプ。上のほうをつかんで引っ張り、立ち上がる動作を助けます。壁のない場所に設置できます。 -
“突っ張り組み合わせ型”
壁がなくても長い手すりを
設置できます。突っ張り型と突っ張り型の間にバータイプの手すりを取り付けたもの。壁のない場所で横手すりなどを施工できない場合、その代わりとなります。
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手すり(居室用)選びのポイント
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押して立つ?引いて立つ?立ち上がり方に合った手すりを。
立ち上がるとき、いすの肘掛けなどを「下へ押して」立ち上がっているのか、それとも前方にあるテーブルや家具を「手前に引っ張って」立ち上がっているのかにより、最適な手すりのタイプが異なります。 サイドバーなどのオプション部品があれば使いやすい場合もありますので、専門家に相談してみましょう。
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手すりの形や直径はご本人が握りやすいものに。
一般的に手すりの形は円形タイプが主流ですが、マヒやリウマチなどで手すりをつかめない方には、手のひらや腕を置いて支えるタイプもあります。円形手すりの直径も少しずつ異なりますので、ご本人がいちばん握りやすいものを選びます。
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両手で握れる手すりなら、姿勢がぐんと安定します。
体がふらつく人の場合、両手で手すりを握れば、姿勢が安定します。必要に応じて室内の複数箇所に手すりを設置したり、移動経路に沿ってバータイプを置くなど、住環境との兼ね合いで考えます。
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