実家の断捨離は大変だと聞くけど、「うちの親は物分かりがいいから、
きっとスムーズに進むだろう」と簡単に考えていたのだが…
父は視力を失い、物が溢れた部屋では移動も困難だし、母は認知症が進み、物を探すのも一苦労だった
ついに意を決した姉と私。
しかし、私たちはタカをくくっていたようだ。
うちの親に限って大丈夫!と。
物を捨てようとするたび、
母が心配そうにこちらを見ていた。
なんでもとっておきたい母とやりとりしながら、断捨離を進めていったのだが…
捨てたはずの『レモン絞り器』が
何度もよみがえり、ついに…
なぜ母がそのレモン絞り器に固執しているのか?その時、
私たちはまったく理解できなかった。
レモン絞り器がキッカケで
大バトルに発展した。
「こんなに私たちが一所懸命片付けてあげているのに!」その日は、姉と怒って、愚痴って、大泣きした。でも、その後、思い出したのだ。子供の頃、あの『レモン絞り器』で母がよく私たちにジュースを作ってくれた こと。ただの古いレモン絞り器だけど、母にとっては、『特別なレモン絞り器』だったのかもしれない。そう思うと、大きな寿司桶も大量のラーメンどんぶりも、母にとってはそれぞれが家族との思い出の詰まった品だったのかも…